暁 〜小説投稿サイト〜
幽雅に舞え!
白熱!エンタメバトルショー
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技だから今のカクレオンは悪タイプ。よって悪タイプの技のだまし討ちは威力が上がるってわけさ。早くなんとかしないと危ないよ?」
「いいや、それには及ばないさ」
「?」

 カクレオンはフワンテの体を締め付けている――ように見えて、実際には何もない空間をぐるりと巻いていただけだった。そのことに気が付いたジャックが、目を見開く。それを見て、サファイアは口の端を釣り上げて笑った。

「影分身を使っていたのはカクレオンだけじゃない、あんたがゆっくり時間を取ってる間に俺のフワンテも影分身を使っていたのさ!そして本体は――そこにいる!フワンテ、妖しい風だ!」

 カクレオンが狙っていたフワンテは、途中から作り出した分身にすり替わっていた。本物のフワンテは見えないほどに小さくなってその場から離れていたというわけである。そうして作り出した隙を逃さず、サファイアは一気に決めにいった。不可思議な紫色の風が舞い、カクレオンの体を打つ。だがカクレオンはたいして痛くもなさそうにフワンテを探している。

「まだまだ、悪タイプになったカクレオンにはゴーストタイプの技は通じないよ!」
「だけど、変色の特性でカクレオンはゴーストタイプになった。そして怪しい風は、フワンテの能力を上げることが出来る!フワンテ、シャドーボールだ!」

 フワンテの眼前に巨大な闇のエネルギーが固まり、球体となってカクレオンの体に打ち込まれる。威力、スピードと共に跳ね上がったそれは避けさせる暇もなくカクレオンに当たり――コンテスト会場の壁際までふっ飛ばした。

「綺麗に決まりました!巧妙な騙し合いを制し、サファイア選手のフワンテがカクレオンを下したーー!!」

 カクレオンの体が倒れ、舌がだらしなく口からはみ出る。それをジャックはボールに戻し――今までのあどけない笑みとは違う、獰猛ともいえる表情を一瞬みせた。サファイアだけが気付き、ぞっとする。とても子供の物とは思えない。

「……あんた、本当に何者なんだ?」
「僕はただの『ジャック』だよ?そんなことよりせっかく盛り上がってきたんだ。もっと楽しもうよ。その為にちょっと――本気出しちゃおっかな!!」

 ジャックがボールを持った右手と開いた手のひらを胸の前で合わせる。そんな仕草で押されたボールのスイッチから飛び出たのは――大きく丸みを帯びたボディをした、見るからに鋼タイプのポケモンだった。顔の部分に当たるであろう場所には、赤い点がいくつも並んでいる。


「さあ出ておいで、人々に恐れられし鋼のヒトガタ――レジスチル!!」


 そのポケモンは、ジャックを除くその場にいる誰もが見たことないポケモンだった。それを見た観客たちの反応は、興奮とは違うどよめき。レジスチルを見ていると得体のしれないも
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