白熱!エンタメバトルショー
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がだね、お兄さん。でもこれじゃ終わらないよ?」
「何?」
サファイアの頬に、ぽつぽつと雫があたる。上を見上げれば空が曇り、雨が降り始めていた。ポワルンは傷つきながらも雨乞いを使っていたのだ。雲のような体が、水滴のような青く丸い姿に変化していく。
「ヤミラミ、一旦下がれ!」
「ポワルン、ハイドロポンプだ!」
ジャックの命令で、ポワルンの眼前に大量の水が集まり、怒涛となって一気にまっすぐ放たれる。それはヤミラミに直撃し、まっすぐ吹っ飛ばして壁に叩きつけた。凄まじい水の一撃に、観客が盛り上がる。
「これで一歩リードかな?」
「……いいや、まだ互角さ。そうだろ、ヤミラミ」
起き上がったヤミラミの笑い声がフィールドに響く。ヤミラミはハイドロポンプを受ける直前にメガシンカし、水を大楯で受け止めていた。結果吹き飛ばされはしたものの、大ダメージには至らなかったというわけだ。
「へえ……さっそく使ってきたね。ポワルン、ウェザーボール!」
「ヤミラミ、守るだ!」
ポワルンの放つ球体が頭上から強い雨のように水の塊になってヤミラミを打ち付けるのを、緑色のバリアーが防ぐ。
「さすがの防御力だね。でも守ってばかりじゃ勝てないよ?」
「言われるまでもないさ、ヤミラミ、シャドークロー!」
「それ、届くの?」
ヤミラミの爪が影を宿す。とはいえかの距離はかなり遠い。振るわれた爪は、虚しく空を切るかと思われたが。
「届かせてみせるさ。この天候、利用させてもらう!」
ぽつぽつと振る雨は、見えないが一つ一つが小さな影を作り出している。それを継いでいき、闇の爪は大きく伸びて――
「しまった、ポワルン!」
「もう遅いぜ!」
無警戒なポワルンの体を切り裂いた。油断していたため急所を狙うことも容易だった。
「決まったー!サファイア君のヤミラミ、メガシンカを決めてポワルンの猛攻を凌ぎ、不意をつくシャドークローで一気に刈り取った!」
実況者の声と観客の歓声に包まれ、笑顔を浮かべるサファイア。ジャックは参ったな、と頬を掻いている。
「油断はするもんじゃないぜ。さあ、どっからでもかかってこい!」
「……その言葉、お兄さんにそっくりそのまま返すよ?」
「えっ?」
「ポワルン、ぼうふう!」
「!!」
ポワルンが倒れた状態から力を発揮し、フィールド全体に爆風を起こす。ヤミラミが咄嗟に大楯を構えるが、風は自在に吹き荒れ後ろからヤミラミを襲った。ヤミラミの体が吹き飛ばされ、天に舞う。
「これでおしまい、ウェザーボール!」
もう一度水の塊が放たれ、ヤミラミに直撃する。空中のヤミラミにまさに暴風雨と化してぶつかり、地面
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