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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#9
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE
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べた。
 ジョセフは口に手を当てたまましばし長考する。
 その内容は旅の目的よりも、彼女の身の安全の方に切り替わっていた。
 これで賛成一、(強固な)反対一、保留一、
同行の裁可は、一人の男に委ねられる。
 未だ意向を口にしていない承太郎の前に、吉田が立った。
 アノ時のように気弱な体裁ではなく、
堂々と胸を張り真正面からその眼を見つめて。
「空条君は、どう想いますか? 私が傍にいたら、迷惑ですか?」
 暴れるシャナを抑えきれなくなってきたのでスタープラチナに預け、
承太郎は静かに口を開いた。
「一つだけ聞いておく。 『覚悟』 は在るか?」
 厳しい口調ではないが、重く深いその言葉に吉田は寒気を覚えた。
「オレらと一緒に来れば、当然DIOのヤローはおまえを “敵” だと判断する。
そうなってから後悔してももう遅ぇ。
途中で別れても、四六時中ヤツの刺客がおまえを襲う事になる。
オレ達があのヤローをブッ斃すまで……
本当に良いのか? それで? 
死ぬかもしれねーし、得な事なんて何一つねぇんだぞ」
 今度は、瞳を細めての厳しい口調だったが、吉田は逆に温かさを感じた。
 直接口に出しては言わないけれど、
わざと知られないようにしているけれど、
確かに今、彼は自分の事を案じてくれている。
 むきになって反対するわけでも、賛成するわけでもない。
 それは、自分の言った事をちゃんと聞いてくれているから、
誰よりも 『私』 を尊重してくれているから。
 だからそこに、自分の意見は挟まない。
 未来は、そして運命は、一人一人が選び取っていくものだから。
 笑顔で賛成してくれるよりも、吉田は嬉しいと想った。
 まだ少しだけ不安だった決意が、決して揺るがないものに変わった気がした。
「さっきも、言った通りです。
私も、自分の大切な人を護りたいんです。
空条君と同じように、その能力(チカラ)があるのなら。
それに、貴方と一緒なら、どんな辛い事にだって耐えてみせます」
「……」
 承太郎は一度吉田から視線を逸らし、
何かを問いかけるように空を仰いだ。
 背後で何か紅いモノがチラチラと見えるが気にしない事にする。
 やがて、根負けしたように淡い嘆息を漏らすと、
一度も視線を逸らさなかった少女に言った。
「なら、好きにしな」
「――ッ!」
 両手を胸に当てた少女の顔が、今開いた花のように輝いた。
 隣に佇む美男子も穏やかな微笑を浮かべる。
「おいおい? 良いのか? 承太郎」
 おそらく (シャナとは別の意味で) 反対するであろうと想っていた孫に、
祖父は戸惑いながら訊いた。
「本人がヤるっつってんだ。
オレらがどうこう言う問題じゃあねーだろ。
ポルナレフも花京院も、それぞれの理由で旅に加わ
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