第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#9
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE
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色の瞳に宿る強い意志に戸惑いながら、ジョセフが訊いた。
「それじゃあ、尚更なんです。
そんなに危険な人と空条君が戦うのを
見て見ぬフリなんて出来ないし、
私の家族も無関係じゃいられません!」
儚げな少女の意外なる言動に、空気が張り詰める。
承太郎の手の中でもがくシャナが妙にうるさい。
「エリザベスさんから、聞きました。
その、 『DIO』 という人のコトを。
正直信じられない話でしたけど、
でもその人がこの世界のスベテを支配しようとしていて、
それだけの能力を持っているという事は解りました。
だったら尚更、何もしないなんて出来ない!
誰かが何とかしなきゃ、私の家族も友達も、皆その人に壊されてしまう!
空条君一人にそんな重荷を背負わせて良いわけないし、
私にはそれを止める能力が生まれたんです!」
シャナの動きが止まった。
裡に秘めた熱い叫びに、周囲は沈黙を余儀なくされた。
「……それに、私、行く所ないんです。
こんな能力が生まれた以上、
学校の皆と今まで通りになんて出来ないし、
危険には巻き込みたくない。
だから、不安だったけど嬉しかったんです。
空条君も同じ能力を持ってるって知った時。
一人じゃないんだって解った時!」
この言葉には、花京院が一番強い衝撃を受ける。
口に出して言った事はないが、
いつも心中に在る、偽りのない感情だった。
それまで意見らしい事も言っていなかったが、
この言葉で彼の意志は固まる。
「ジョースターさん。
ボクは、彼女を連れて行く事に賛成です。
連れて行った方が良い、イヤ、
『連れて行くべき』 だと想います」
「!」
「ン〜ッ!」
思わぬ申し出に、ジョセフが息を呑みシャナが暴れる。
反対に吉田は、晴れやかな表情を浮かべた。
「特に語る必要もなかったので、今まで黙っていたのですが、
『スタンド使いはスタンド使いと引かれ合うんです』
本人の意志とは関係なく、まるで引力や宿命のように。
それが敵か味方かまでは出会うまで解りませんが、
ボクは子供の頃からそうやって何人ものスタンド使いと会ってきました。
コレは可能性としては、天文学的数値で本来有り得ない事なのです」
「むう、つまり彼女が 『スタンド使い』 である以上、
どこにいても危険は避けられず、ワシらと一緒に居ても同じだと?」
「寧ろ、ボクらと一緒に居た方が安全かもしれません。
スタンド戦は身を以て経験していくしかありませんし、
このままスタンド操作のやり方も解らないまま、
邪悪で強力なスタンド使いと一人で遭遇するよりは、
リスクを軽減出来ると判断します」
細い腕を腰の位置で組んだまま、
花京院は冷静で合理的な見解を述
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