第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#9
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE
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から今度は私が助ける番なんだって」
「ふぅむ」
ジョセフはそこで一度言葉を切り、エリザベスを見つめた。
「彼女の御家族には、世界でも稀に見るウィルスの奇病だって伝えてあるわ。
SPW財団直属の、世界的権威の有る医師が直接説明したから混乱も少なかったみたい。
事実、スタンド能力はある種の 「ウィルス進化」 だと唱える学者もいるしね。
故に根本的な治療、この場合は彼女が自分のスタンドをコントロール出来るようになる事。
細部は改竄したけれど、御両親にはそれで納得してもらったわ」
「なるほど……」
ジョセフは顎髭をさすりながらしばし思考した。
確かに、スタンド能力が在る以上、もうこの娘は普通には生きられない。
DIOは、世界中からスタンド能力者を集めている。
そうである以上、DIOを斃さない限り彼女に平穏はない。
「しかしのぉ〜、気持ちは本当に嬉しいのじゃが、
君を連れて行くわけにはいかんのじゃよ」
瞳を細めて告げたジョセフの言葉に、
吉田が息を呑んだのとシャナが手を合わせたのはほぼ同時だった。
「確かに、我々は今援助を必要としている。
その数は多ければ多いほど良い。
だが、それは全て 『自分の家族』 を救う為なのじゃ。
君にも家族がいるだろう?
親御さんの気持ちを考えたら、
大事な娘である君を危険な目に遭わせるなどとても出来ない。
幾ら強いスタンド能力を持っているとしてもだ」
穏やかな口調の中にも厳しさを滲ませて、老人は少女に告げた。
相手に反論を許さない、確固足る口調だった。
「でもッ!」
「気持ちは嬉しい。
しかし我々が立ち向かおうとしている 『男』 は、
余りにも危険で強大過ぎるのだ。
命の保証など無きに等しいし、
果たして勝機があるのかどうかも謎のままだ。
もし君が、旅の途中で命を落とすような事になったら、
一体ワシはどうすれば良い?
君の御両親に、この命を以てしても償いきれん」
「むぅ」
ただ否定するだけではない、きちんと相手の周囲を汲み取った言葉に
アラストールが声を漏らした。
「ま、これで解ったでしょ?
残念だけど、おまえが私達に 「同行」 するのは不可能なの。
チームリーダーであるジョセフがダメって言うんじゃしょうがないわよね。
遠い所わざわざ来て貰って悪いけど、とっとと諦めて日本にモガッ!」
勝ち誇った表情で余裕盤石に告げるシャナの口が、
承太郎の手で塞がれた。
「ン〜! ンン〜!!」
「いいから、チョイ黙ってろおまえ……」
いつになくKYなシャナの言動を、
ソレが己の所為だとは自惚れず承太郎は吉田を見た。
彼女はしばらく黙っていたが、
やがて意を決したように顔を上げた。
「だったら、尚更です」
「む?」
胡桃
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