第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#9
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE
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フフフ、承太郎も、罪作りな坊やね。
まぁ、私の孫なら仕方ないか」
困惑した息子の問いを、器の大きさがそうさせるのか実母は微笑って返した。
しかしすぐに表情を引き締め、気配を感じさせない挙措で歩み寄り耳打ちする。
「でも、これだけは覚えておいて、ジョジョ。
彼女、スタンドの “天才” だわ。
この私がじかに確かめてみたのだから間違いない。
必ずアナタ達の力になるはずよ。
そうでなかったら、わざわざこんな場所にまで連れてはこない」
瞳を瞬せる彼の前に、とてもそうは想えない、
戦闘等の血腥い事象には生涯を無縁であろうという少女が立つ。
「初めまして。空条君のお爺さん。
御挨拶が遅れてすいません。
吉田 一美と言います」
そう言って礼儀正しく下げられる頭に、
戦闘者の気配は微塵も感じられなかった。
「いやいや、これはどうも御丁寧に。
ワシの名前はジョセフ・ジョースター。
ジョセフでもジョースターでも好きに呼んでくれたまえ。
君は承太郎の友達かな?
孫がいつも世話になっているようですまんのぉ〜」
「いえいえ! 助けられてるのはいつも私の方ばっかりで!
変な人に絡まれたりとか、危険な事に巻き込まないようにしてくれたりとか!」
温厚な笑顔で帽子を外すジョセフに、吉田は顔を真っ赤にしながら返した。
「ほうほう、承太郎が。怒鳴ったりケンカしたりで迷惑をかけてはいないかね?」
「そ、そんな事ありません! 良い人です!」
「ほほぉ〜、そうかそうか、我が孫もそれなりに、
真面目にはやっているようじゃな」
承太郎の肉親という事で緊張しながらも、
吉田は次第に気持ちが安らいでいくのが解った。
身体は大きいが、とても温かくて、優しい気配のする人。
彼が承太郎の祖父なのだという事を、
言葉よりも強く認識出来る実感だった。
「――ッ!」
埒の開かない日常会話を続ける二人に苛立ったシャナが何か言おうとするが、
承太郎に止められる。
「でもッ!」
「まぁここはジジイに任せとけ。
亀の甲より年の功だ。たまにはな」
「うぅ〜」
駄々を捏ねるように唸るシャナの頭に手を乗せ、
承太郎は前に向き直る。
シャナの言った事を肯定するわけではないが、
彼女が自分達の旅に 「同行」 するのは無理だろうと想った。
いくらスタンド能力が在るとはいえ、
“ただソレだけで” 進めるような平坦な道ではない。
その事は、ジョセフが誰よりも解っている筈だった。
「ふむ、なるほど、それで承太郎の家を訪ねた時に、母さんと知り合ったと。
そこからSPW財団を通じてスタンド能力やワシらの事を知ったのじゃな?」
「はい。それで私でも力になれるならなりたいと思って。
空条君にはいっぱい助けて貰いましたし、
だ
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