第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#9
PHANTOM BLOOD NIGHTMARE
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なかった。
その洞察を裏打ちするように、少女も明朗な口調で答える。
以前の少女を知っている者ならば、明らかに違和感を覚える様相。
「スタンド能力は、一体どうやって身につけた?
聞く所によると 「遺伝」 でもねぇ限り、
後天的に目覚める可能性は低いという話だが」
この質問には吉田も少し困った顔をして、それでも淀みなく答えた。
「話せば、とても長くなります。
そして、信じて貰えるかどうか、自信はありません。
でも、空条君が知りたいなら全部話します。
絶対に嘘は言いません」
脳裡に甦る、隻腕の青年。
もう絶対に会えないけれど、祈る以外何も出来ないけれど、
でもあの人の御陰で、いまこうして自分はここに立っていられる。
元は赦されざる、スタンド殺人鬼。
でもその存在は、少女にとって紛れもない救いの使者だった。
「あの、良かったら、私のスタンド、
スタンドっていうらしいですね、御覧になりますか?
『能力』 も見ます? あまり大したものではないんですけど」
DIOの存在がある為それは待てと承太郎が制しようとした刹那
「いい加減にしなさいよ!!」
脇のシャナが灼けつくような怒声を響かせた。
「あ、あなた、は?」
再会の嬉しさの余り、完全に失念していた少女へ吉田は眼を向ける。
そこに、有無を云わさぬ一言。
「空条 シャナ! 承太郎の恋人よ!!」
「――ッ!」
一気呵成にそう言い放った少女は、
眼を瞠る吉田を無視して近寄るなとでも言うように
承太郎を片手で引き寄せる。
「……やれやれ、そうなのか?」
突然の告白に戦慄が走る中、その張本人は冷めた口調で学帽の鍔を抓んだ。
(約一名、シャナの胸元で失神寸前にまで追い込まれた者がいるのだが、
彼の名誉の為に記さないでおこう)
承太郎を挟んで、 “フレイムヘイズ” と 『スタンド使い』 の少女が
真正面から睨み合う。
通常の戦闘、否、ソレ以上の熾烈な火花が二人の間で散っている。
「ジョセフ! まさかこんなヤツを仲間に入れるなんて言わないわよね!
私は反対よ! こんなヤツ! 絶対足手まといにしかならないッ!」
フレイムヘイズの威圧感に屈しない吉田に焦れたのか、
シャナは火を吐くような口調でジョセフに助勢を求める。
最早能力の有無や強弱等どうでもよく、
この大ッ嫌いな女を承太郎に近づけたくないだけだった。
「い、いや、そう言われても……
ワシはまだその娘の名前も知らんのだがな。
知り合いなのか? お主達?」
凄まじい剣幕で告げられたシャナの糾弾を保留し、
ジョセフは承太郎と花京院に問う。
「まぁ、な」
「はい……」
清廉な二人には珍しく、不明瞭な答えが返ってきた。
「母さん?」
「フフフ
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