久々の二人旅。初めての気持ち。
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った。ルビーはまだ食べ終わるのに時間がかかりそうだ。
「ん……そろそろ行こうか?」
「いや、ゆっくり食べててくれ。ちょっと散歩してくる」
「そうかい。迷子にならないように頼むよ?」
「わかってる」
そう言ってジュペッタと一緒に軽くルビーたちから離れる。考えるのはやはり、彼女のこと。
(俺は、ルビーのことをどう思ってるんだろう)
ムロタウンに着くまでは、一緒に旅をする仲間だと思っていた。逆に言えば、それ以上の認識はしていなかった。だがムロタウンで記憶を取り戻してから、彼女に対する認識は変わりつつある。あの時のように、彼女を守りたいと。それこそシリアに対する憧れと同じくらい強く。その理由が、なんとなくつかめなかった。
「なあジュペッタ、お前はどう思う?」
「……」
ジュペッタは答えない。答えられないのだろう。主の経験したことのない感情は、ジュペッタにもわからない。しばらく自問自答し、サファイアは目の前で拳を握る。思い出すのは、あの博士に負けた時のこと。
「……あの時、俺はもっと強くなるって誓った。シリアに追いつくために。悪い奴らに負けないために……その強くなる理由が、もう一つ増えたんだ。ルビーを守りたいっていう理由が。……今は、それだけでいいと思う」
保留といえば保留だろう。だが決意を新たに、サファイアはルビーの元へ戻る。彼女も食べ終わったところの様で、笑ってサファイアを見た。
「ふふ、散歩はもういいのかい?ならそろそろ市場も出ようか。たまには楽しいけれど、さすがに人混みが疲れてきたよ。」
「わかった。じゃあもうそろそろ出よう。そうだ、コンテストを見ていってもいいか?せっかくカイナシティに来たんだしさ。」
「いいよ、観客席が空いてるといいけれど」
「ここにあるのはノーマルランクらしいし、観客はそこまでいないんじゃないかな」
なんて話をしながら、カイナシティの中でもひときわ煌びやかな建物、コンテスト会場へ向かう。中もまた、綺麗な電飾があちこちに彩られ、ステージの中心には天井の開いた開放的な空間だった。その客席で彼らが見たのは――ムロタウンに着いた時に出会った、あの少年だった。
「……あの子は!」
「……!」
「なんということでしょう!初出場の少年、ジャックがなんと決勝戦まで勝ち進みました!それではいってみましょう、コンテストスタート!」
「出てこい、オオスバメ!」
「いくよ、ポワルン」
実況者の声と共に両者がポケモンを出す。相手はオオスバメを繰り出し――ジャックと名乗った少年は、小さな雨雲のような、灰色のポケモンを繰り出した。
「さあ出ましたジャック選手のポワルン!これまで雨、晴れ、と華麗に天候を変
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