久々の二人旅。初めての気持ち。
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己惚れだと思い、すごく恥ずかしくなった。だがそれは、言われた側もそうだったようで――ルビーの顔が、ぽっと赤くなって縮こまる。
「……」
「…………」
「………………バカだなあ、最初から言ってくれればボクだって……その、準備とかして待ち合わせとかしたのに……」
「なんだよそれ……ルビーって意外なところでメルヘンだな……」
真っ赤で顔をそむけあってぼそぼそという二人。道行く通行人のおばちゃんがあらあらまあまあと言っているのが聞こえてますます恥ずかしくなってくる。
それに耐えかねて、サファイアはルビーの手を取ってどんどんと歩き出した。
「え、ちょっと、どこへ……」
「知るもんか!どこか冷たいものがあるところまで歩く!」
初々しい二人は、あてどなく市場をさ迷い歩く。さながら逃避行のように――
さすがに温暖なホウエン地方とあってアイスクリームやが見つかりそこで二人分注文をする。最初は二人とも恥ずかしくてお互い別の方向を向きながらちまちまと舐めていたが、時間とアイスで頭も冷え、15分後にはサファイアはアイスを齧るように食べていた。舐めるのはなんだか女々しい感じがするからだ。
「……落ち着いたかい?」
「それはこっちの台詞だぞ」
「人をいきなり連れ回しておいてよく言うね。ボクは君が発情してご休憩所まで連れていかれるんじゃないかと気が気がじゃなかったんだよ?慰謝料を請求したいくらいだね」
「それ、絶対嘘だろ……アイスで勘弁してくれ」
「やれやれ、しょうがないなあ」
どうやらルビーもいつもの調子に戻ったらしい。少し安心するサファイア。自分はともかく、彼女の調子が狂うとやりにくいことこの上ない。いつもならこんな時冷静にしてくれるジュペッタをモンスターボールから出して、恨めし気に言う。
「……というか、ジュペッタ。どうして何もしてくれなかったんだよ」
「−−−−」
ジュペッタがけらけらと笑う。それくらい自分で何とかしてください、と窘められた気がした。ルビーはルビーでボールからキュウコンを出し、アイスを少しあげている。キュウコンは一舐めしてぶるりと身震いした後、ルビーの頬をぺろりと舐める。
「あはは、ちょっと冷たかったかな?」
「コォーーン……」
「よしよし、こら、そんなに舐めないでおくれ。ボクは食べ物じゃないんだから」
「コンコン!」
「−−−−」
「コン!」
ジュペッタがキュウコンに何事か話しかけて、頭を下げる。もしかしてうちの主がそちらの主に失礼しましたというようなことを言っているのだろうか、なんてサファイアは想像した。
そんなポケモンたちとルビーを見ながら食べていると、あっとういう間にアイスはなくな
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