久々の二人旅。初めての気持ち。
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ポケモンセンターで手持ちのフワンテとヤミラミを回復させた後、サファイア達はカイナシティの市場へと向かう。目的や買いたいものは、特に決まっていない。ただカイナに着いてからもあわただしいこと続きだったので、少しの間ゆっくりしようということになったのだ。
「……すごい、こんなにたくさんの物がある場所初めて見た」
「都会が近くにある港町だからね。博物館や造船所もあるし、ホウエン最大の交易都市といってもいいかな。とはいえ、さすがに圧巻だね」
二人とも都会に来るのは初めてとあって、どこを見ても品物で満ち溢れている場所を珍しそうに見ている。花、漢方薬、アクセサリ……様々な種類の店を一つずつ興味深そうに。
「あ……この目玉付の髪留め可愛いね」
「そのセンスはどうなんだ……」
「いいじゃないか、ボクになら似合うと思わないかい?」
ルビーが目玉付の髪飾りをとってにんまり微笑んだのをツッコむサファイア。店員に許可を取って、軽くつけてみせる。少々不気味な目玉はルビーの髪にとまると少し愛嬌のあるアクセサリーに見えるから不思議なものだ。
「……そうだな、うん。似合ってるよ。買うか?」
「へえ、買ってくれるのかい?なかなか甲斐性があるじゃないか」
「いや、今は俺とお前でお金は共有してるんだから甲斐性も何もないだろ……」
「野暮だなあ」
からかうようにルビーが言うので、憮然とするサファイア。二人での旅をするにあたって、面倒がないようにお金は共有している。ルビーの提案で、サファイアとしてもお金に頓着はしていないのでそうなったのだ。
購入した目玉のアクセサリを、鏡の前で位置を調整するルビー。その姿はどこにでもいる女の子のよう……というか、実際そうなんじゃないかと最近サファイアは思い始めていた。彼女の口調や態度は特徴的だが、内面はそんなに変わっていないんじゃないかとこういう時に思う。
「待たせたね、じゃあ行こうか」
「ああ」
「ところでサファイア君?」
「どうしたんだ?」
髪飾りをちらちらと見せるようにサファイアの隣を歩くルビーは、少し間をおいてこう切り出した。
「二人でこうして買い物しながら歩いてると……なんだか、デートみたいな気がしないかい?」
ズバリ言われて、サファイアの顔が少し赤くなる。その顔をルビーが覗き込もうとするので、無駄であると知りつつ赤くなった顔を隠すように額のバンダナを指で軽く引っ張る。そしてこう返した。
「何言ってるんだよ。こんなの……」
「ふふ、やっぱりまだそうは思ってくれないかな?」
「……俺だって、そう思ってるよ。ただ、言うのが恥ずかしかっただけで……」
言ってて自分でも
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