マブラヴ
1483話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
そんな女が俺の方へと向かって走ってくる。
「失礼します! 暴風小隊の小隊長をしている崔亦菲中尉といいます。もしかして、その……アクセル・アルマー代表でしょうか!?」
敬礼と共にそう尋ねてくる女……崔は尋ねてはいるがそれは形式的なものであり、実際には俺をアクセル・アルマーだと確信しているらしい。
ラトロワの部下達は俺の事を知らなかったが、俺はそれなりに有名だしな。
「ああ、俺がアクセルだ。崔だったか? その名前の語感から考えると、中国系の人間か?」
もしそうだとすれば、国がなくなった事をで俺を恨んでいる奴もいると聞く。
だが、逆に中国政府の代わりに日本が中国を保護国とした事で、生活が上向いていると喜んでいる者も多いと聞く。
その辺は、それこそ人それぞれなのだろう。
だからこそ、崔も俺を恨んでいるのではないか……そう思ったのだが……
「とんでもないです! 私はアクセル代表に感謝しかしていません!」
そう、告げたのだった。
「私は中国人と台湾人のダブルです。ですが、住んでいるのは台湾で……だからその、中国の政府が出した馬鹿な命令に従う必要もありませんでした。もし私が台湾ではなく中国にいれば、恐らくあの馬鹿な命令に従わざるを得なかったでしょう」
ダブルってのは、ハーフの別名だな。
違う国の血を半分ずつ引いているんじゃなく、両方の血を引いているという意味だったか?
ともあれ、以前誰かから聞いた覚えがある言葉だ。
そういう意味だと、崔は口では中国政府を貶してはいるが、中国という国その物は嫌いではないのだろう。
それにしても、中国政府が出した無茶な命令?
何の事か分からず一瞬迷ったが、すぐに思い出す。
ああ、色々と自分達の利益になるように動いて、それが暴走し……でもって最終的にはシャドウミラーに対して攻撃を仕掛けてきた事か。
あの当時もそうだが、それ以後のシャドウミラーの活躍を知っていれば、まさに馬鹿な選択だと言えるよな。
そう考えれば、崔が母国の中国を消滅させなかった俺達に好意的な理由は分からないでもない……か?
「何、気にするな。こっちも別に善意だけではやった訳じゃない。それに、今の中国の状態を生み出した俺が言うのもなんだが、日本の保護国になっているのは許容してるのか?」
「はい。以前の政府の時に比べると税金も安くなっていますし、役人の汚職も減りました」
あー……なるほど。
日本に保護国化される前の中国は、色々と酷かったって話だしな。
特に自分達のミスでBETAを早期に倒す事が出来ず、結果としてユーラシア大陸中にBETAが侵攻して、その対処の為に他の国や国連軍から援軍を呼んだにも関わらず、その補給物資とか、平気で横領していたらしい。
いわ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ