Track 2 受け取るキモチ 繋げるミライ
活動日誌9 わんだー・ぞーん! 3
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愛らしい文字で書いてあったのだった。
これは私の推測なんだけど――
ことりさんは歓迎会の時に皆から飾っていることを望まれた時点で、自分も色紙を飾ることに賛同していたんだろう。
その上で、キチンとフレームに入れることを考えていたんじゃないかな?
はだかの状態で置かれているのって、サインを書いた本人として、なんとなく気が引けるのかも知れないしね?
だけど生徒会や練習が忙しい――正確にはフレームは色紙2枚の入るサイズだから、簡単に学院に持ってくることは難しいのだと思う。
いや、学生鞄は学校の教科書やノートや練習着が入っているだろうし? 中々、持っては来れなかったんだろう。
だけど今日は練習が休みだから、普段なら練習着を入れているスペースが空いている。だから空いているスペースに入れて持って来れたんだと思う。
そして、色紙と一緒に歌詞を綴る――これも自分の誇れることだから。
自分がミナリンスキーとして頑張ってきたから、完成することができた詞。
だから、一緒に飾りたかったんだろう――どちらも自分にとってかけがえのないモノなのだろうから。
だけど、堂々と飾ると言うのは性格的に恥ずかしかったんだと思う。
だから誰もいない部室でコッソリと手早く済ませたかったんじゃないかな?
そんな風に焦りながら色紙を取ろうと悪戦苦闘――いや、始めから椅子に上れば良いとは思うけど?
実は、パイプ椅子って安定性が悪いんだよ? 少しの体重移動でもぐらついちゃって倒れるか――背もたれの方に体重かけると挟まれるからね?
いやいや、椅子は座るもので上るものじゃないから――危険なんだから、あんまり1人で上っちゃダメだよ?
上りそうなお姉ちゃんと凛さんは特に! なんてね。
正直こんなことで怪我をしてしまっては、アイドル活動に支障が出る。だから無理に上ろうとはしなかったんだと思う。
そんな感じで、安全に済ませることを優先して――棚に手を伸ばしていたところに私達が来た。だから少しの間だけ何事もなかったように振舞っていたんじゃないかな。
だけど待っていても私達は部室を出ることはない――だって、今日は練習がないんだから。
そうしている間にも時間は過ぎていくのだ。
このままだと皆が部室に来てしまう。
かと言って、一旦フレームを持ち帰って、明日持ってくるのは大変だろう。そして、明日から練習が続くから持ってこれるスペースもないだろうしね。
まぁ、ロッカーに置いていくって手はあるんだけどね?
だけど明日から生徒会も当分忙しくなるだろうから、いつまでも飾れなくなってしまう恐れがある――再来週の頭に控えた新入生歓迎会に向けて
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