Track 2 受け取るキモチ 繋げるミライ
活動日誌9 わんだー・ぞーん! 2
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♪♪♪
そんな経緯のある色紙――あの時は確かに納得したのかも知れない。
だけど気持ちが変化したのかも知れない。
確かに、にこ先輩からあんな風に言われていても、毎日見ることになれば、ねぇ?
私と亜里沙は知っているから良いとしても、何も知らない涼風が気にならないとは思えない。
今のところは聞いていないだけで、しばらくすれば誰かに聞くことになるかも知れない。
そうなった時に、なんて答えれば良いのかが私には想像つかないのだった。
ありのまま答えると言うのは、ことりさんでないと答えるのが憚られる。だけど情報が出回っている話だから何かの拍子にバレてしまう可能性があるので、下手な誤魔化しは難しいだろう。
だから、ことりさんは話が出る前に隠そうとしていたんだと思っていた。
ところが――
「あっ、あのね? ……悪いんだけど、この椅子を押さえていてくれないかな?」
「は、はい……これで良いですか?」
「うん、ありがとう。それじゃあ、少しだけ押さえていてね? ……うんしょ」
ことりさんは少しの間、部室の中を彷徨っていたんだけど?
意を決した表情で私達――ううん、正確には棚の前に立っていた私達の方へ歩いてくると椅子を棚の前に置いて声をかけてきた。
私が椅子を押さえて声をかけると、ことりさんは礼を告げて――上履きを脱いで椅子の上に立ったのだった。
――私、慌てていたから押さえ方を間違えたみたい。
ほら? 棚の方に背もたれを当てて置いてあるんだけど――私、座るところの端のパイプを押さえているのね? しかも邪魔になるとマズイからって中腰の体勢で!
その上に、ことりさんが立ったのですよ――そう、私の目の前にことりさんの両足が広がっているのですよ? 今日は練習がないので制服のまま!
つまり、そのまま見上げると――言わなくても、わかるよね?
ほら? 女の子同士だし、着替えだって一緒にすることもあるんだろうけど?
そう言うのとは違うんだよねぇ?
何て言うのかな? 普通に見るのとは違って、普段見られない時に見れるシチュエーションって――同姓の私でもドキドキするんだよ?
相手がことりさんなら、尚更だね?
と言うよりも μ's のメンバーは全員――あっ、お姉ちゃんは別だけどね!
ドキドキするものなのですよっ!
――いや、ことりさんゴメンナサイ。
なんとなく申し訳なくて、心の中でことりさんに謝罪をしながら俯くのだった。
「……うんしょ……ふーっ……」
なんとか色紙を取ることに成功したことりさんは、安堵の表情を浮かべて椅子から下りる。
一瞬だけ懐かしむように色紙を眺めると、テーブルに置いてある自分の鞄の方へ持っていくのだった。
やはり
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