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活動日誌9 わんだー・ぞーん! 1
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からなんだろう。
 だからこそ、お店としても彼女にアルバイトを続けて欲しいと願うし、本人も続けたいって願ったんじゃないかな?
 そして、そんな不思議な空間を皆で支えているんだろう。だから今でもアルバイトを続けていられる気がするのだった。

 そんな感じでことりさんがミナリンスキーさんだと言うことは、メンバー全員が知っていた。
 だけど、サイン色紙は間違いなく先代部長のにこ先輩の私物(・・)なのだ。
 でも卒業だからと家に私物を持ち帰ることになった際に、ポスターと色紙だけはアイドル研究部に寄付(きふ)をしていった――まぁ、ポスターに関しては貼る場所がないし、()がすのが面倒だからみたいなんだけど?
 色紙に関しては――
「こう言うモノがあった方が、アイドル研究部として(はく)が付くでしょ?」
 そう、あっけらかんと言っていたそうだ。
 別にミナリンスキーさんがことりさんだと知った――価値を失ったから置いていった訳ではない。
 一応、卒業式の段階では色紙の話は解決したかのように思われたらしいんだけど?
 私と亜里沙の歓迎会の時に、ことりさんとにこ先輩が押し問答(もんどう)を繰り広げていた。その時の会話は、確かこんな感じだったと記憶している。

♪♪♪

「……ねぇ、にこちゃん……」
「持って帰らないわよ?」
「――持って帰ってよぉ」
「――帰らないって言っているでしょうが!」
「なんでぇ?」

 歓迎会の歓談中、隣に座るにこ先輩に声をかけることりさん。だけど会話をする暇もなく拒絶(きょぜつ)されるのだった。
 いや、私には全く理解できない会話なんですけど? あとの会話で主語が理解できたような話だったから。
 だって、ことりさんは普通に名前を呼んだだけだよ? それも元々会話をしていた訳じゃなくて、唐突(とうとつ)に始まった会話なんだし――何でアレ(・・)で内容までわかるの?
 アレで成立する関係――他のメンバーもそうなんだけど?
 スクールアイドル μ's の時間の濃さに驚きの連発の私なのだった。

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