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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第68話:人の口に戸は立てられない……となれば人その物を封じるしか無い。
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ぁ……権力を振りかざして人を排除するの」
排除?
「あ、あの……排除とは?」
「ガント・ウィンチェスト。貴様を逮捕する。罪状は国家反逆罪だ……」
こ、国家反逆罪!!??
「な、何故そんな事に!?」
「解んねーのかバーカ! 国王が封印すると言った兵器なのに、それに反対して世間に広めようという意思を表明したからだよ。だから再三確認しただろが! なのにアンタは自分の欲望を突き通した……だから逮捕だよバ〜カぁ」
「キ、キサマ……謀ったな!?」
「はぁ? つまりこのガンツァーは俺の発明品って事で良いのか? そう世間に発表して問題ないのか!?」
多分真実はそうなんだろう。でもウィンチェストは認めまい。
「ふざけるな! このガンツァーは私の発明品だ!」
「じゃぁ謀ってねーよ、俺は!」
「うぐっ……お、おのれ……」
「あはははは〜ん(笑)」
「邪魔な男を排除する為だけに、お前はここまでするのかウルフ?」
「はぁ? 『能力も無いのに威張りチラしてるから、王様として排除しろ』と何度もお願いしてたのに、『放って置けよ。才能無いのなら無害でもあるだろ?』と放置した者に落ち度は無いとでも言うのですかぁ?」
そ、そうか……
ウルフ君は僕等が何度もウィンチェストを何とかしてほしいと嘆願した事に対して手を打ってくれたのか!
し、しかし……やり過ぎでは無いだろうか?
「おい衛兵!」
僕だけでは無い……陛下を含めた全員が、同じ事を思っている中、ウルフ君は気にする素振りも見せずに扉から顔だけ出して衛兵を呼ぶ。
「その男を逮捕しろ。罪状は国家反逆罪だから、ちょっとでも抵抗したら大いに反撃して構わない。牢屋へは俺自らぶち込むから、しっかり連れてこい!」
大慌てで入ってきた衛兵に軽い口調で残酷な命令をすると、軽い足取りで部屋を出て行くウルフ君……勿論ウィンチェストは衛兵に両脇から掴まれて連れて行かれる。
「……………」「……………」「……………」
唯一上機嫌だったウルフ君が、逐一煩いウィンチェストと共に部屋から居なくなり、静寂だけが僕等の耳を突き刺す。
不機嫌なままの陛下は例の兵器を繁々と見詰め溜息を吐く。
誰か……僕以外の誰か、何か喋って場の空気を変えてください!
でも誰も口を開かない。
皆、僕と同じ事を思ってるに違いない。
「もう一度言っておく……この武器の事は忘れろ。この場に居た者同士でも、この武器の事を語るんじゃ無いぞ!」
「は、はい……僕は記憶力が悪いので、もう憶えてません」
「全部忘れる必要は無い……武器の事だけで、昇給の話は実行する。武器開発部の2人も、レクルトもな。 ……ピピンは別に良いよね?」
「はい構いません……その分も部下に回してください」
感謝ですピピン閣下!
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