激昂のエメラルド
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のままほっとけない。なんだかあいつ……凄く焦ってた」
「それはわかるけどね……面倒だからバトルには参加しないけど、見守るだけ見守らせてもらうよ。大丈夫、自分の身は自分で守るから」
「ありがとう……さて、早くポケモンを回復させないとな」
いつもの調子のルビーと話して、頭が冷えていく。それが彼女なりのサファイアに対する協力なのだろう。それに感謝しつつ、サファイアはポケモンを回復させ、砂浜へと向かった――。
「はっ、逃げずにわざわざやられに来やがったか」
彼は開口一番、喧嘩腰で話しかけてくる。サファイアはそれには応じず、ルールを提案した。
「ルールはシングルバトルの3対3。それでいいか?」
「なんでもいいっつの。うるせーな。なんなら女と組んで戦ったっていいんだぜ?さっきみたいによ」
「いいや、それはしない。これは俺とお前のバトルだ」
「どこまでもうぜえやつだな……それじゃあ行くぜ、ワカシャモ!」
「頼んだ、フワンテ!あいつの全力、受け止めてやってくれ!」
少年二人の、お互いの意地と性分がぶつかり合ったバトルが始まる。ルビーは津波で倒れたパラソルを立て直し、その日陰に座った。隣には自分を守るためのサマヨールを従えて。
「男の子って、どうしてこうなんだろうね。ボクには理解不能だよ。ねえサマヨール?」
呼ばれた彼女も頷き、彼らのバトルを見守った。ワカシャモの火炎放射とフワンテの風起こしがぶつかり合う――
「はっ、そんな雑魚技で俺様の火炎放射が防げるかよ!」
確かに風起こしと火炎放射では威力の差は違い過ぎる。風が吹き散らされ、炎が突き抜けるが、その方向は多少ずれた。
「これで十分、小さくなるだ!」
フワンテがその体を縮めて業火を躱す。エメラルドが舌打ちした。
「やろっ……もう一発だ、ワカシャモ!」
「怪しい風!」
ワカシャモの口から放たれる業火を、不可思議な風が方向を逸らす。またしてもエメラルドの攻撃は外れた。
「だったらこれでどうだ、大文字!」
「もう一度怪しい風!」
ワカシャモがさらに炎を溜めて、溜めて、巨大な火炎輪を放つ。それは怪しい風にぶつかると文字通りの大文字焼きと化した。だが小さくなって自分も風に漂うフワンテには当たらない。
その後も何度か同じ技の応酬が続き、エメラルドがしびれを切らして怒鳴る。
「くそっ……おい、いきなり防戦一方じゃあねえか!そんなつまんねえバトルすんなら、もう降参しろっつーの!何がシリアのバトルだ!てめえのバトルはただの猿まねだ!」
「……そう思うのはまだ早いぜ。怪しい風のもう一つの効果はもうすでに発動した!フワンテ、風起こしだ!」
「だからそ
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