第一部
人間の闇
[3/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
ないし、今度ラミア使って色々ストレス発散しようぜ!」先程までの態度とはガラリと変わっている男達に俺は怒りをぶつけることも無く無言で着替えた。更衣室を出るとそこに蓮がいた。僕は蓮と目を合わせたが、何も言葉が出てこなかった。そんな僕を見た蓮は呆れたように言った。「なにシケたツラしてるんだよ。お前がそんな顔してたら彼女、もっと元気なくすだろ?」僕は俯いて拳をギュッと握った「だって、皆おかしいじゃないか。どうして魔族ってだけであんなに性格が変われるんだ!?同じ生き物なのになんであんなにも残酷になれるんだ!?」また蓮を怒鳴ってしまったことに気付き、急いで謝った。「ごめん。お前のせいじゃないのに。八つ当たりしt!」話の途中で蓮にデコピンされ、あまりの痛さによろめいた。「バーカ。別に謝ることねえだろ?俺だって魔族と人間の差別とか意味わかんねえし嫌いだよ。だから気にすんなって!」蓮の言葉に何だかとても救われた気がした。僕は照れ隠しに蓮にエルボを食らわせた。蓮は痛いと言っていたが勿論嘘だ。なにせ僕はほとんど力を入れていなかったのだから...。
教室に入るとラミアが一人ポツンと机に座っていた。でも僕はそれを見てホッと胸を撫で下ろした。まだ暴力や暴言を吐かれていないだけマシだと思ったのだ。僕はわざと無視している彼女達を睨んだ後、ラミアの所へそっと近づいていった。「ねぇ。大丈夫?」ラミアは僕の声に気付き、慌て僕から離れようとしたが、僕がラミアの腕を咄嗟に掴んだ。これじゃあ、今朝の逆だな。などと思いながらラミアの肩を掴み向かい合わせにした。「どうして僕を避けるの?僕はラミアが魔族だって知っているんだよ?それでも友達でいたいのに...あんな奴らと同じじゃないって分かってるんだろ?なのになんで僕を避けるの?」ラミアは少し抵抗したが、諦め、小さな声で答えた。
「だって、私と友達になったら隼人までとばっちりにあっちゃう」それを聞いて僕は不謹慎にも笑った。「ラミア。僕はみんなに見えてないんだよ?大丈夫だって。僕は透明人間なんだ。だから誰も僕を虐めたりしないよ」それでもラミアは頭を横に振り、尚も引かないようだったので最後の手段を放った。「別に僕は虐められてもいいよ。ラミアと一緒に居れればそれで満足だよ」言った瞬間後悔した。なにせこれはダメージがでかい。相手に羞恥心をプラスする代わりに自分の羞恥心もプラスされるという、僕の最終奥義だ。両者共に顔を真っ赤にさせながらしばらく見つめ合った。結局ラミアが折れた。僕は内心冷や汗が止まらなかった。「私ね。前の学校でも虐められていたの...」突然ラミアが話し出したので慌てて、耳を傾ける。
「入学して半年ぐらい経った時に担任にバラされたの。それまで仲良くしてくれてた友達も、皆態度が変わって私を虐めるようになった。でもそれが仕方ないことだって思ってたの。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ