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幽雅に舞え!
カイナシティ上陸!対策と読み合い
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かうときの波乱が嘘のように何事もなく、カイナシティの砂浜に到着する。

「ん……なんだこりゃ、誰もいねえ?」

 人の姿の見えない砂浜を見て、エメラルドが訝しげに呟く。彼の記憶では、ここはいつでも活気にあふれている砂浜で、それこそ嵐でも起きない限り遊ぶ子供の声やポケモンバトルをする船乗りの声が聞こえたものだが、今聞こえるのは波の音だけだ。

「ボクもここは人の集まる場所と聞いていたんだけど……何かあったのかな?」

 エメラルド、ルビー、サファイアの順で船から降り歩を進める。すると海の家から一人の二十代くらいの男が出てくるのが見えた。青いウェーブのかかった綺麗な長髪を靡かせて、格好は海パンにアロハシャツ、そしてサングラスをかけていてサーファーかナンパ師の類にサファイアには見えた。エメラルドが話しかける。

「おいそこのおっさん。全然人の姿が見えねえんだけど、ここで最近何かあったのか?」
「んまっ!だ〜れがおっさんよぉ、せめてお兄さんと呼びなさい!」
「うわっ、オカマかよあんた……」

 話しかけられた男はオネエ風の口調でエメラルドに怒る。ルビーとエメラルドが若干引いたのでサファイアが代わりに聞く。

「すみません、失礼な奴で……俺たち、ここは人気の多い場所って聞いてたんで誰もいないのに驚いたんですけど、何か知りませんか?」
「あら、カワイイ坊やもいるじゃな〜い。そうね、坊やだけにはこっそり教えてあげてもいいわ。ちょっとこっちに来てくれない?」
「……どうせ俺だけに教えても俺は二人にも教えますよ。だから、普通に教えてくれませんか」

 別にオカマに近づくのが嫌とかそういう意味ではなくサファイアはなんとなくこの男を怪しいと思っていた。まるで待ち構えていたかのように海の家から出てきたからだ。

 それを向こうも感じ取ったのだろう。口の端を釣り上げて上に向かって声を上げた。

「なかなか勘がいいじゃない……ルファく〜ん!」
「ッ、ルビー!」

 声がかかると同時に海の家の上から一人と一匹の影が下りてくる。ルビーを咄嗟にこちらに引き寄せ、エメラルドも砂浜を蹴って横に避けた。その空間を、剣と牙が一閃する。

「……ったく、気の抜ける呼び方すんなっての。避けられたじゃねえか」

 降りてきたのはグラエナと、全身黒一色の薄手な服を着た青年だった。彼は振りかざした剣を鞘にしまう。

「おいてめえら……もしかしてあの博士の仲間か!?」
「ご明察よぉ、ワタシがポセイで、こっちがルファ。よろしくね♪」
「だったら容赦はしねえ!出てこい、俺様に仕える御三家達……」
「遅えよ!」

 モンスターボールを取り出し、空に放り投げようとするエメラルドをルファが近づいて拳で
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