外伝
第裏幕『The.day.of.Felix』
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
体感していただければ、貴殿のお考えも変わることかと」
「……何を企んでいる?」
侯爵は凄まじい形相で来賓を訪ねた。だが、その態度は一歩も下がらない。
「何も企んで等おりません。この対談もブリューヌの発展と繁栄を願っての事」
こうして、テナルディエ侯爵の概念を覆す戦いが幕を開けた。
【数日後・ブリューヌ国内・ディナント平原】
そして、互いの純粋な力比べをする日が訪れた。
テナルディエ侯爵率いる軍の総勢は2万。殆どが突貫及び突破を得意とする騎兵部隊だ。
対する例の来賓の軍の総勢は2千にも満たないという。敵軍は自軍のおよそ10分の1というその情報がテナルディエ軍に伝達した時、武勲を立てようとする者は躍起になり始めた。
このような単純な兵力の差において、先鋒以外に戦う機会が訪れる可能性は皆無に等しかったからだ。
正面衝突するなら、圧倒的にこちらが有利だ。誰もがそう認識していた。
我こそが先鋒を!武勲を狙って沸騰する!
――ただ一人、侯爵の腹心であるスティードを除いては――
「スティード殿は此度の戦には出られないのですかな?」
ある一人の部隊長が軽口をたたく。テナルディエ侯爵が有能と認めた人物であるものの、どこか物足りないと評されていた素性を知っている故に出た言葉なのだろう。だが、スティードの思考は別の所にあった。
「此度の戦はどこか気に喰わない」
「勝つ自信がないと?」
「我々は、何者かに操られている気がする」
「ご冗談を」
もう、これ以上誰の言葉も耳に入らないスティードであった。
太陽が南中高度を示す中、テナルディエ軍は信仰を開始したのであった。
対して敵陣の方は――――――
一人の兵士が何やら長い筒のようなもので遠くを見ている。
一定の戦場ラインを超えたあたりで、兵士は何かを空高く打ち上げた。打ち上げた機械の正体は、何やら弩のような引き金と、丸いつつが特徴的な武装だった。
空高く打ち上げられたモノは、何やらチカチカ光っているようだった。しかし、太陽に向かって進軍するテナルディエ軍が気付くことはなかった。
次の瞬間、この世の光景とは思えない修羅が、視界に広がった。
――大地!!震撼せし!!――
「ディナントの平原が噴火した!?」
「なんなんだこれは!?ぐあああああああ!!」
次々と「噴火」する大地!何が起こったかわからないまま分割されていく騎士の肉体!
中途半端に悲鳴を上げて絶命するのは地獄であることこの上ない!まだ何もわからないまま意識を遮断されたほうがいくらか楽になっただろう!
まさに阿鼻叫喚!
騎士の甲冑を!それも盾ごと打ち砕く!
炸裂の呪術を仕込んだ杖が、騎士の突撃を嘲笑う!
彼らの誇り高き突攻
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ