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神剣の刀鍛冶
EPISODE03勇者U
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ぬ言葉に、凱はうわ言のように呟いた。

「そう、引き金となる死言を唱える事で、空気中に含まれる霊体に自らの一部を食わせ、悪魔化させる現象の事です。大陸史上最悪の人外、ヴァルバニルによって生み出されたシステムこそ、この悪魔契約なのです。」

ヒューゴーの後に続くように、ハンニバルが言葉を引き継いだ。

「その悪魔を使役した大戦、代理契約戦争ヴァルバニルが集結し、現在に至る44年では悪魔契約は禁忌とされ、一時の平和を享受できた」

「ですが、禁忌とされる悪魔契約は、実は各国家間の抑止力として利用されているのも事実なのです。その調停役を担う為、大陸法委員会が組織されたのです」

大陸間の全面戦争を回避する為、あえて手に余る力を有する。皮肉なことに、戦争の引き金となった悪魔契約が、結果として戦争を抑える役目を果たしている。

(俺のいた世界と、そのところは変わらないか)

戦略兵器を悪魔契約と置き換えれば、それほど違和感なく説明を聞き入れられる。
各国の均衡を保つ大陸法委員会も、凱の世界で言えば安全評議会に該当するものだろう。

霊体――

悪魔契約――

代理契約戦争――

その他云々。
一気に押し寄せてくる情報の荒波に、凱の脳内は荒らされつつあった。
要するに、整理する時間が必要である。
とりあえず凱は、単語の内容をかみ砕く為に、自分の体験を当てはめてみた。
まずは霊体に自らの血肉を食わせる事で生まれる悪魔。機界生命体ゾンダーと置き換える。
悪魔の果実であるゾンダーメタルに、自らの血肉ストレスを食わせる事で、ゾンダーは生まれる。人間が素体である部分は、悪魔契約もゾンダー化も共通しているのだろう。
次に代理契約戦争。
二人の話から察するに、戦争の当人はおそらく人間ではない。悪魔だ。
代理契約という名称は、そこから起因するのだろう。
人間の血肉を得た悪魔が、人間の代わりに代理、執行する。別称「ヴァルバニル」で呼称されるところを見ると、戦争名称は元凶とされる大陸史上最悪の人外が起源している。
そして、悪魔契約――
この言葉だけは、凱は一番着目した。
ヒューゴーは、確かにこの単語をシステムと比喩した。
凱の世界では、システムとは製造設備を意味する言葉だ。認識のズレがあるかもしれないが、根本的な意味ではそれほど大差ないのかもしれない。
死言を唱える事で、悪魔は生まれる。なるほど、確かに悪魔契約(システム)と比喩するのは適正かもしれない。
ならば、その悪魔契約というシステムを実行するには、手順を示すアルゴリズムや実行するプログラム、そして端末であるデバイスが存在するはずだ。
霊体に血肉を食わせるという手順--アルゴリズム。
刻まれた死の言葉は、それを実行させる
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