UNLIMITED01――帰還者――
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の99パーセントを占めるソレは、将来「注入式聖痕運用兵装計画」に実装する予定である。存在的に劣る人類が異次元体に打ち勝つには、常に異次元体の構造を一歩上回る必要がある。その為、今回は宇宙の真意の一つである「プラズマ」に目を付けたのである。非常に密度の高い木星付近でなければ、プラズマ運用の為のデータが集まり難い。
「それにしても……僅かな時間で地球から木星に辿りつけるなんて、普通では考えられません」
「GGGの産物。レプトントラベラーのおかげだな」
「GGG……ガッツィ・ギャラクシー・ガード。宇宙防衛勇者隊が解体されて60年以上経過しています。重機動汎用人型兵装が健在なら、人類がこれ以上出血を強いることなんて……」
何かを思うような表情でスナと呼ばれた女性が言った。しかし、傍らに立っている壮年の男性、アオイ博士は一言吐き捨てた。
「確かに……重機動汎用人型兵器の力なら異次元体を駆逐するなど夢でないのだが、ないものをねだっても仕方あるまい」
「駆逐……」
アオイ博士は彼女、スナがパンドラに入りたての頃を思い出していた。
「スナ。当時の志望動機は「とにかくノヴァを駆逐したいです」だったな。殺意溢れる自己紹介は流石にインパクトを覚えたよ」
「昔のことです。それよりいいのですか?」
からかわれた子供のような仕草で、スナはぷいっと横を向いた。それからアオイ博士はくすりと笑いながら問う。
「何がだ?」
「ここ数日の間に何回か次元振動が確認されています。今でこそノヴァクラッシュは発生していませんが、短いスパンでノヴァクラッシュが訪れるようになれば、おそらく……」
ノヴァクラッシュ。世界の端の人類を含めても、物心ついたばかりの幼子を含めても、その名称を知らないものはいない。
地球次元西暦2012年の初頭に相次いで発生した異次元体襲撃の総称であり、はては人類史上最悪の災厄とまで言われている。原種大戦終結、地球外の脅威は去ったかと思われた矢先の事だった。
次元圧縮による壊滅圧爆現象―すなわち、ノヴァ。
それは半径10キロメートルを灰塵に帰す特殊空間であり、当時の防衛組織首脳部はEI-18の事例を掘り起こした事で確認されたものは、膨大なエネルギー量を持ってして地上太陽と比喩された。
物理運動の情報流通を強制停止させる現象―すなわち、フリージング
それは地球の超兵器すらも止めてしまう堅固なものであり、地球外知生体保有のバリアシステムに酷似していた。
ゾンダーもノヴァも、初回迎撃時には通常兵器の火力では相手にはならなかったのだ。
全長20mを超える奇異な物質体を認知するには、人類は正直言ってまだ
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