暁 〜小説投稿サイト〜
メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第5話「我団(チーム)」Bパート
[9/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
う話す。
「・・・あれは別に恩とか、そんなじゃねーから気にするなって何度も言ってるだろ」
天桐が苦い顔をしてそう言うと
「なぁ、士朗。俺との出会いも覚えているか?」
今度は矢元が聞いてきた。
「俺とお前が1年だった5月の時のことを」
「あぁ、・・・覚えてるさ。それも5月じゃねーよ。あの日は、まだ4月だった」
「そうか、ちゃんと覚えていてくれたか」
と少し嬉しくなった矢元は、
「あの時の俺は、士良のことなんかどうでもいいと思って裏切ったのにさぁ。士良。お前は、俺を助けてくれたよな」
「・・・あぁ」
「あの時、俺は後悔したんだ。自分自身が人として男として恥ずかしかった」
「・・・」
「お前に助けて貰った後、お前に謝って礼を言うべきだったのに恥ずかしさの余りに学校にも顔を出せなかった」
「・・・」
「すると、お前から俺の所に来たよな。休んでいた時の溜まった書類や宿題をまとめてもって来てくれて。隣のクラスで関係もねーのによぉ。・・・そして、俺はあの時のことを言ったら、お前は言ったよな。俺はお前を恨んでねーと。ただ、助けたかったらから助けたって」
「あぁ、そうだったな」
と天桐は懐かしく思ったのか少し涙腺が緩んできた。
そして、矢元と城ノ崎の二人は揃って
「だからさぁ、頼むよ」「今度は僕達に士朗を」
天桐の目を見て
「「助けさせてくれよ」」
と言った。
すると天桐は突然、後ろを振り返った。
いきなりだったので皆は疑問に思ったがすぐになぜか分かった。
後ろから肩が小刻みに揺れているからだ。それに僅かに見える頬に水滴が垂れていた。
そして、
「なぁ?」
天桐が話しかけた。
「何?」
城ノ崎が答えた。
「なぁ、ほんとうにいいのか?・・・二人共」
天桐は少し鼻声で話している。
「これから、もっともーと忙しくもなる。だから、バイトも勉強も出来る時間が無くなっちまうぞ」
と言ったが、その言葉を聞いた二人は
「それがどうした」「全然、大丈夫だよ」
素直に答えた。
「くっ」
天桐は鼻に詰まった鼻詰まりをすって。
「本当にいいんだな?」
と再度もう一度聞いた。
そして、二人は、
「あぁ」「勿論だ」
と二人はそう答えた。
天桐は涙を流しながら
「そうか」
と右袖で涙を拭き取ると
「あ、・・・ありがとな」
そう言った。
だが、そんな天桐の言葉に、
「礼なんて言うなよ」「僕たちは」
天桐に向かい
「「仲間だろ」」
と2人は言った。


それから5人は公園から離れて行った。
先頭に加埜が次に矢元と城ノ崎が並んでいる。
最後に居た天桐は、目の前の早間に近づいて
「あ、そのだな。さっきは・・・悪かった。俺の為にやってくれたのに」
と頭をかきながらそう言った。
「いいえ。大丈夫で
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ