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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編 第5話「我団(チーム)」Bパート
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5月14日の夜9時
喫茶店[可華蜜]では賑やかな声が響いていた。
この店の閉店時間である8時を過ぎても、電気がついた1階には大勢の人がいた。
店内にいる大勢の中の一人が
「せーの」
と言い出して
「「「矢元、誕生日おめでとーーー」」」
パァンパァンパァン
と全員が同じ言葉を合わせて大声で言い、その内3人がクラッカーを鳴らした。
「皆、ありがとな!」
矢元は、彼らに対して礼を言った。
今日、5月14日は矢元の誕生日なのだ。今日で18歳になる矢元の誕生日を祝うために、天桐と加埜
が以前から計画して可華蜜の営業時間終了の店を貸し切ってパーティーをやったのだ。
「じゃあ、ケーキ切るぞ。皿並べてくれ」
と加埜が言うと、何人かが皿を並べるのを手伝った。
今、パーティーに来ているのは本日の主役である矢元をはじめ天桐、城ノ崎、加埜の他に学校の友達数人や矢元のバイト仲間や知人が数人など、20人程が来ている。
「他の料理も冷めちまうから早く食べてくれよ。親父が張り切って作り過ぎちまったからな」
と行って皆に食べるように言う。
矢元が回りを見てから加埜に
「そういえば親父とお袋さんは?」
「あぁ、二人共。気を利かせたのか、近所の知人達と飯に行っちまった」
と加埜がいくつかの料理を紙皿に取りながら答えた。
一方、天桐は
「おい、早間。どうしたんだ元気低いな」
部屋の隅に低く座った早間に聞いた。ジュースの入ったコップを両手に大人しくいたのだ。
「あの、自分もよかったんですか?」
「何が?」
「いや、呼んで貰ったのは凄く嬉しいですが、自分は矢元さんとは何の接点もないんで、誕生日パーティーに出席する資格はないのではと思って」
「あぁ、別にいいじゃね。俺が招待したんだし」
「はぁ」
と話していると矢元の方で
「おい矢元、プレゼント開けてくれよ」
と矢元の回りを数人が囲んでいた。
「おう、さて何かなこれは」
と皆から貰ったプレゼントの1つを手に取り、開け始めた。
「お、これ俺が欲しかった最新の音楽プレイヤーじゃん。高かったろー」
とプレゼントが欲しかったものだと分かり喜ぶ矢元。
「いや、俺とまっさん、幹夫(みきお)の3人で合わせて買ったんだ。大事にしろよ」
と矢元のバイト仲間がそう言った。
「楽しそうですね」
「お前は楽しくないか?やっぱ他人の誕生日会は」
「いえ、そうじゃないです。ただ」
「ただ?」
「・・・いえ、やっぱ何でもないです。そうだ何か食べ物持ってきますよ。待ってて下さい」
「お、おう」
と早間は話を中断させ、料理を取りに行った。
それから2時間続いたパーティーが終わり、皆で後片付けを手分けしてやった。
「よし、終わったな。じゃあ、皆解散だ」
と加埜が言って、パーティーはお開きとなった
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