Track 2 受け取るキモチ 繋げるミライ
活動日誌7 ぼくらのライブ・きみとのライフ! 1
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横並びより移動した方が良くないかな?」
「それが良いニャ! 凛は逆トラが迫力あると思うニャ!」
「そう? 正トラの方が奥行き出るから、私は良いと思うけど?」
「うーん……私はスラッシュの方が綺麗な気がするんだけどなぁ?」
手を振り終えると花陽さん達は、フォーメーションの意見を出し合っていたのだった。それも、あれだけの踊りを終えた直後だと言うのに立ったまま!
ストレッチだけで、へばっている私達って――ま、まぁ、ライブをこなしている人達と私達を比較しても、仕方のないことなんだけどね?
そんな花陽さん達の話している内容――
サビの頭の部分。横一列で踊っている部分を変えようとしていたみたいだった。
とは言え、私は初めて聞いた曲。それもピアノ演奏のダンス練習だから、正直どこの部分なのかは知らないんだけどね?
でも、真姫さんのピアノのレベルは高いから曲の強弱がしっかりしている。
そんなことを踏まえて、横一列に並んだアノ部分がサビ頭なんだろうと感じていたのだった。
凛さんの言う逆トラとは、逆三角形のことらしい。
客席から見て、前にセンター、後ろに両サイドのフォーメーション。
反対に、真姫さんの言う正トラとは、正三角形のことらしい。
前に両サイド、後ろにセンターのフォーメーション。
花陽さんの言うスラッシュとは、斜めのフォーメーションのことらしいのだ。
とは言え、専門用語ではなく――凛さんが自分達がわかれば良いと名付けただけの言葉なのだと言う。
その話を聞いて、私は何で凛さんがリーダーなのか納得した。
だって、お姉ちゃんと感性が似ているから! 凛さんもお姉ちゃんと一緒で、知性よりも先に感性が働くタイプなんだろう。
そして、そのタイプは自然と周りを納得させてしまうのだ。
結局リーダーである凛さんの意見が通ることになったのだった。
だけど、この話には落とし穴があった。
いや、だって――
この曲のセンターって凛さんなんだから! 自分が前に出るって話なんだもん。
まぁ? 花陽さんと真姫さんは、だからこそ凛さんの意見を了承したのかも知れないけどね?
そんな花陽さん達を眺めていて、私は深く感じていたことがある。
お姉ちゃん達と6人で活動している花陽さん達ですら、3人用の練習を取り入れているのだ。もちろん経験があるから可能なのかも知れないけれどね?
つまり、私達も色々試行錯誤しながら自分達の練習を始めないと、いつまでも追いつけない――ううん、さらに差が広がってしまうんだと感じた。
私は花陽さん達を見ながら、少しでも早く近づけるように、自分達の練習メニューを思案していたのだった。
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