Track 2 受け取るキモチ 繋げるミライ
活動日誌7 ぼくらのライブ・きみとのライフ! 1
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私は鳥肌が立った。
お姉ちゃん達の本番は何度も見ている。でも今は練習だ。
だけど花陽さん達の表情からは、本番さながらの気迫を感じていた。
これがトップアイドルの練習――そんな風に感じてしまうほどの気迫だったのだ。
以前、海未さんに聞いたことがある。
海未さんは今でもアイドル研究部と弓道部を掛け持ちしている。更に今は生徒会までも掛け持ちしているのだ。
だから――
「大丈夫なんですか?」
って。
そうしたら海未さんが――
「練習こそ本番のように。本番こそ練習のように。これを心がけていれば、自ずと上手くいくものですよ?」
そんなことを教えてくれた。
練習こそ本番のように――。
本番さながらの緊張感と取り組み方で接すれば、少ない時間でも濃い練習が出来る。
本番こそ練習のように――。
練習で取り組んだことを練習だと思うことにより、緊張せずに取り組めば、良い結果に繋がる。
つまり短時間でも効率が良いのだと言う。
きっと、そんな風に全員が心がけているんだろう。
もちろん心がけだけの話じゃないとは思う。
自分達の目指すべき場所がそうさせているんだろう。
花陽さん達の気迫を肌で感じて、そう考えていたのだった。
花陽さん達が真剣な表情をするや否や、PCのスピーカーからイントロが流れ出していた。流れてきたのは真姫さんのピアノ演奏。
そこからは、まさに――
トップアイドルのライブを見ているファンのように、羨望の眼差しで3人のダンスを見ていたのだった。
タイトルで思ってはいたことだけど、流れている曲に聞き覚えはなかった。
そして、踊っている花陽さん達のフォーメーションは明らかに3人用のフォーメーションに感じられていた。
もしも、お姉ちゃん達と一緒に6人で踊るのなら、3人分の空間が生じるはずだから。
だから、この曲は花陽さん達2年生用の曲なんだと思っていた。
もちろん、花陽さん達だけで活動する訳じゃないんだろうけど――先を見据えて、こう言う練習も始めたんじゃないかな?
それも去年を経験した結果なのかも知れない。
とは言え、そんな経験のない私達は純粋に、彼女達の踊りに見惚れているだけだった。
花陽さん達が1曲踊りきると、私達は思わず拍手を送っていた。そんな拍手を聞いて苦笑いを浮かべる花陽さん達。
まぁ、ダンス練習に拍手を送られたら苦笑いにもなりますよね? 同じアイドル研究部の部員なのに。
それでも、花陽さん達は私達に笑顔で手を振ってくれたのだった。
「……それで、サビ頭のフォーメーションなんだけど……
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