マブラヴ
1482話
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があっても許せる事ではない。
ましてやそんな人物がシャドウミラーの管轄している基地にいるというのは、許容出来る筈もなかった。
「申し訳、ありません。全ては私の責任です」
「だろうな。だが、その責任を取る事すら出来ないんだろう? それとも、何か。お前はシャドウミラーの代表である俺を殺そうとした件に対して責任を取れるというのか?」
「それは……いえ、では自分の命を……」
「そんな下らないものはいらない。そもそも、俺とお前の命が等しいとでも? 自分の価値を過大評価するにも程があるぞ。己の分、というものを理解するんだな。……まぁ、いい。これ以上お前に何かを言っても意味はないだろう。この件はソ連上層部にきちんと抗議させて貰う。その際に向こうがどんな態度を取るのかで、ソ連に対する俺達シャドウミラーの態度も変わってくるだろう」
これ以上ここで話す価値はない。
そう判断し、少し離れた場所で何が起きているのか理解出来ないといった様子のイーニァとクリスカの方へと近寄って行く。
「待って下さい!」
そんな俺の背に聞こえてくるのは、切羽詰まったラトロワの声。
先程までの冷静さは既に微塵も残ってはいない。
その場で足を止め、首だけをそちらに向ける。
俺の目に映ったのは、緊張でか顔を真っ青にしているラトロワの姿。
そこには、今の声と同じく先程までの冷静さは少しも残っていなかった。
「何だ? もうお前如きに用はない。さっさとどこへなりとも消えろ」
「待って下さい。……上に報告するのは、出来れば止めて欲しいのですが」
「何故だ? ソ連の軍人に迷惑を掛けられたんだ。その責任を上の者に取って貰うのは当然だろう? お前程度の女が責任を云々したところで意味はない。……悔やむなら、こんな低脳共を部下にして、しかもその性根を叩き直す事すら出来なかった自分の無能さを恨むんだな」
「お前ぇっ!」
何故かラトロワではなく、その近くにいた女……ナスターシャとかいう女が激昂する。
上司を侮辱されて我慢は出来なかったらしいが……この場合、それは悪手でしかない。
「まだ俺に何か用件があるのか? お前達如きに関わっているような暇はないんだがな。これからソ連に対する態度をどうするのか、シャドウミラーの方で相談する必要が……」
「アクセル」
そんな俺の言葉を遮るように口を挟んできたのは、予想外な事にイーニァだった。
まさかここでイーニァが口を挟んでくるとは思わなかったので、少しだけ驚く。
「どうした?」
「あのね、出来ればあの人達の事をこれ以上苛めないで欲しいんだ……」
そして、更にまさか。イーニァの口から出て来たのは、自分やクリスカに危害を加えようとした相手を庇う言葉。
そう思った瞬間、殆ど発作的に
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