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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十話 それぞれの『優しさ』
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た。
魔導師であることとか、俺の住んでいた世界のこととか、言えないことはかなりたくさんある。
だけど、少なくとも俺が高町やすずかと仲良くしてる理由に『そっちのこと』は関係ない。
「高町とは、たまたま仲良くしてもらってるだけで、すずかに関しても仲良くしてもらってるだけだよ」
きっかけは魔法だった。
だけど、こうして仲良く出来てるのは高町もすずかも人が良いからだ。
二人は……いや、バニングスも含めて三人は、本来は俺みたいな変わり者と仲良くするような立ち場の人じゃない。
柚那と雪鳴の二人といられればそれでいい、そう思っていた。
だけど高町もすずかも、ただただ優しくて、純粋だから、俺みたいな奴を放っておけないのだろう。
きっと、俺と出会う前からずっとそうしてきたから、俺と仲良くしてるのもその積み重ねの延長線なんだ。
「ホントに、それだけ?」
そんな俺の心情に対してバニングスは、表情を一つも変化させずに淡々と質問する。
尋問されてるというか、俺も大概疑われすぎというか、複雑な気分になりながらも俺は首を縦に振って頷く。
「ああ。 ホントにそれだけだ」
「お金が目当てとか、アタシやすずかの立ち場が羨ましいからとかじゃないわよね?」
「それは絶対にないよ」
「なんで絶対って言い切れるの?」
絶対。
辞書とかで意味を調べると、俺みたいなガキには難しい言葉ばかり並ぶけど、俺たちはきっと、嘘一つ無い本当のことを意味するんじゃないかと思う。
どんなことがあっても、なにがあっても変わらないと言う約束や誓いみたいなもので、本当は簡単に使っていい言葉でもないのかもしれない。
それを使うってことは、もう二度と曲げられないから。
だけど逆に疑いを持たれやすい言葉でもある。
曲げられないからこそ、僅かな歪みすら許されないから……きっと、信用のない相手が使う『絶対』ほど疑わずにいられない言葉もないだろう。
だけど俺はバニングスに対して絶対を使う。
「だってお金とか、名誉って意味がないじゃん」
「……は?」
呆気に取られたバニングスに、俺はようやく彼女が表情を変えたことに内心ほっとした。
まさか驚かれるとは思わなかったし、そんな強烈な言葉でもなかったような気がするけど、なにが彼女にとって驚きだったのか。
「お金も名誉も大事でしょ?」
「ああ、うん、まぁ大事っちゃ大事なんだけど」
ここでようやく俺は、バニングスがなぜ驚いたのかを理解した。
どうやら彼女はお金と名誉を人生全体の意味で見たらしい。
確かにこれから大人になって生きるためにはお金も名誉も大事になるんだろうし
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