暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十話 それぞれの『優しさ』
[3/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
なった。

 頼りになる人。

 困った時に助けてくれる人。

 物知りな人。

 大人っぽい人。

 かっこいい人。

 憧れる人。

 なのはの口から出てくるのは、その人に対する好意に似た感情。

 なのは自身がどう思って口にしてるのか分からないし、それが好意だって自覚してるかどうかも分からない。

 だけど、なのはがその人のことを話すときは楽しそうで、幸せそうだった。

 ここ最近、なにか思い悩んでいるように見えてたけど、その人の話しをするようになってから少しずつスッキリとした表情になってるのは長い付き合いだから分かる。

 なのはにそこまでの変化を与えた人にアタシとすずかは興味を抱いていて、そして遂に会うことができた。

 なのに、彼に……アイツに会って、アタシの考えは変わった。

 小伊坂 黒鐘。

 つい最近、海鳴に引っ越してきた転入生。

 学力、運動能力は平均値の本当に普通の男性。

 見た目も背が高いってこと、銀色の髪以外に特徴と言えるものはなかった。

 そんなアイツに不信感を抱いた理由は、アイツの眼にあった。

 アタシの一家とすずかの一家が海鳴で有名な裕福な家庭なだけあって、幼い頃から偉い人たちのパーティーに参加したことがある。

 その時に沢山の人と、沢山の眼を見てきた。

 だからその人の眼を見れば良い人だとか悪い人だとかを、ある程度なら判別できる。

 あれは、沢山のことを隠してる人の目だ。

 それが善し悪しなのか、そこまでは分からなかったけど、沢山のことを隠しながら話す姿は怪しさしか感じなかった。

 なのはと関わったことに下心とか企みがあるんじゃないかとか。

 なのはを通じてアタシやすずかに迫り、お金とかを狙おうとしたんじゃないかとか。

 なにか目的があってアタシたちに関わってきたのだとしたら、それは許せることじゃない。

 なのはの友達として、すずかの友達として、アタシはアイツを信用するわけにはいかなかった。

 ――――ある日から、すずかもアイツの名前を出すようになった。

 きっかけがあるとすれば、アタシとすずかが誘拐されたあの日くらい。

 アタシ達を助けたのは小伊坂 黒鐘らしく、アイツがすぐに警察に電話してくれたおかげで、すずかはそれから感謝の意味も含めて仲良くしてる、そう聞いた。

 そして登下校にアイツが混ざることになって、アタシたちの日常は大きく変化した。

 アイツと同じクラスの逢沢 雪鳴先輩に、同級生で雪鳴先輩の妹の逢沢 柚那まで一緒に登下校するようになって、二人ともアイツに懐いていた。

 そこにすずかもなのはも混じっている光景は、まるでアイツが中心になっているかのように
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ