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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
363部分:第四十九話 竪琴の力その七

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第四十九話 竪琴の力その七

「教皇は聖域におられる」
「はい」
「その通りです」
「先の教皇もまた偉大な方であられたという」
「セージ様ですか」
「あの」
 この名前は彼等もよく知っていた。
「死の神タナトスを封じられた」
「御自身の御命とひきかえに」
「その方と同じだ。素晴らしい方だ」
 カミュは実に率直にシオンを賞賛していた。
「あの方がおられる限りはだ」
「ええ、聖域も安泰ですね」
「カミュ様達もおられますし」
「言ってくれるな」
 カミュの顔が微かに笑ったように見えた。
「褒めたところで何も出ないが」
「いえいえ、お世辞じゃなくてですね」
「その通りですよ」
「言ったまま」
「なあ」
 青銅の者達は笑ってこうカミュの言葉に述べた。
「さっきだってフリージングコフィンで雑兵達を全部凍らせましたし」
「ああいうの見ていたらやっぱり」
「頼りになりますよ」
 陽気に笑ってカミュに告げるのだった。
「しかも罠も見破られましたし」
「その犬達に火も用意してやってるし」
「凄いですよ」
「あの罠を破ったのはオルフェだ」
 だがここでカミュはこう言うのだった。
「そして火はバベルのものだ」
「ですが見破られたのはカミュ様です」
「火のことを仰ったのも」
 その二人の白銀の聖闘士達がカミュに告げてきた。
「私はただ竪琴を弾いただけです」
「俺は炎を出しただけです」
「それだけだというのか」
「はい」
「その通りです」
 彼等の今の言葉は謙遜ではなかった。
「カミュ様がおられればこそです」
「我等は危機を脱することができました」
「そういうことですよ」
「その通りです」
 青銅の者達がまた告げるのだった。
「それでカミュ様」
「皆食べ終わりましたし」
「適度に飲みましたし」
 気付けばそうなっていた。皆もう食事を済ませたのだった。
「何はともあれですね」
「まだ先はありますし」
「これで休みますか」
「そうだな」
 カミュは彼等の今の言葉にも頷いてみせた。
「それではそうするか」
「はい、それじゃあ」
「休みますか」
 カミュのその言葉を受けてのものだった。
「寝袋もありますし」
「それに入って」
 それも出しているのだった。寝袋は人数分あった。実に用意がよかった。
「寝ましょう」
「明日はまた吹雪の中で進みますからね」
「その通りだ。では寝るぞ」
「はい」
「それじゃあ」
 こうして彼等は休息に入った。寝袋の中は温かく彼等に心地よい休息を与えた。レダ達とのはじめての対面を終えた彼等は今はゆっくりと休むのだった。


第四十九話   完


                 2009・8・28

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