紅玉の神秘
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は間違いだった。このナイトヘッドは攻撃のための技ではない。
「行くぜ、これが俺たちの新しい必殺技!ナイトヘッドからのシャドークローだ!
――虚栄巨影きょえいきょえい!!」
巨大化した影の巨大な爪が、サマヨールの体を引き裂く。それで二人の戦いに、勝負がつき――ルビーは気を失った。
「……ルビー、ルビー!」
自分を何度も揺さぶる声が聞こえて、ゆっくりとルビーは目を覚ます。ルビーはやれやれと苦笑した。
「……そんなに揺すらないでくれるかな。ボクのか細い体は折れてしまうよ」
「良かった!元に戻ったんだな……」
「……!」
ぎゅっと抱きしめられて、さすがのルビーの頬が少し赤くなる。こほん、と小さく咳払いをしてルビーは言った。
「……そんなに心配してくれたのかい?その気持ちは……うん、やっぱりあの時と同じさ。少しうれしいな。それに……見てて楽しかったよ。君のポケモンバトルは。相変わらず敬語は似合わないけどね」
「そっか……俺もルビーがもとに戻って嬉しいよ。敬語は……うーん、やめた方がいいのかなあ」
「ボクはそう思うね。どうするかは君次第だけど。……さて」
「?」
サファイアが首を傾げる。ちなみにまだ二人は超至近距離のままだ。
「君も思い出してくれたみたいだし、ボクも話す必要があるだろうと思ってね……だから、少しだけ離れてくれないかい?さすがに話しづらいよ」
「ああそっか。ゴメン」
「いいんだよ。その気持ちは嬉しいんだから……じゃあまずボクのことから。思い出してくれた通り。ボクはおくりび山の巫女という役割でね。昔からあのように巫女になるための訓練をしていたんだけど……ボクにはあまり才能……霊感と言ってもいいかな。それがなくてね。兄上の様にはなかなか上手くできなかった
。だから家族からも、冷たい目で見られていたんだ。その癖祭事や訓練以外のことは甘やかし放題だったけどね。その結果ボクは偏食家なわけだ」
「……なんかそれって、悲しいな」
サファイアの記憶する限り両親は自分のことを優しく育ててくれたと思う。家族に冷たくみられるというのがどんな気持ちかは、サファイアには想像しきれないが、悲しいことだというのはわかった。
「次に兄様のことだ。こちらの方が君にとっては重要かな?」
「……そんなことないよ。俺、ルビーのこと知れてよかった。」
くすり、とほほ笑むルビー。そして語りはじめた。
「兄様はおくりび山の宮司としての才能があって家族からも期待されていてね。15歳になるころにはもう完璧に仕事をこなせるようになったんだけど……兄様は昔は結構荒っぽい性格でね
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