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幽雅に舞え!
紅玉の神秘
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9本の業火。だが炎は強い光と共にその影も色濃く映す。それを見てサファイアとカゲボウズは口の端を釣り上げた。強くなった影が全てカゲボウズの分身と化し、全ての業火が空を切る。そのバトルを見て語るものがいるなら、シリアのバトルをイメージするものがいるかもしれない。
 
「そして魅せます私たちの必殺技!影分身からのナイトヘッド――その名も影法師!」
「またその技か……!」
 
 苦々しげに顔をゆがめるルビー。それでもサファイアとカゲボウズは本当のルビーは楽しんでくれていると信じて笑顔で、優雅に、幽玄に技を放った。キュウコンを巨大な影法師がいくつも包み込み――本来のナイトヘッドの何倍ものダメージを与える。
 
「……まだだ。キュウコン、鬼火」
「倒しきれませんでしたか……なら『驚かす』!」
 
 鬼火がカゲボウズに命中し火傷を負うが、『驚かす』がキュウコンにわずかなダメージを与える。だがそれで十分だった。もともとほんの少しの体力しか残っていなかったキュウコンが倒れる。
 
「そして甘いぞ、メガクチート、今度こそヤミラミを噛み砕け!」
「しまった!メガヤミラミ、影打ち!」
「先制技か、だが――」

 メガクチートがメガヤミラミの背後から巨大な顎のような角で襲い掛かる。メガヤミラミは振り返らずに、影だけで迎え撃ち――結果は。
 
「相討ちか……」
「……ありがとう。メガヤミラミ」
 
 メガヤミラミをモンスターボールに戻す。一方ルビーに憑りついた何者かは役立たずめと言わんばかりにクチートを見下げた。
  
「ヨマワル、痛み分けだ」
「……っ、フワンテ、小さくなる!」
「無駄だ」
「何!?」
 
 痛み分けは攻撃技の類ではなく、小さくなっても回避は出来ない。よってお互いの体力が分かち合われる――つまり、体力の少ないヨマワルが一方的に回復し、フワンテは体力を吸い取られる。
 
「……フワンテ、もういい。下がってくれ。後は、俺とカゲボウズ――いや」
 
 キュウコンを倒したことでカゲボウズの体が光り輝く。また、それはルビーのヨマワルも同じようだった。奇しくもあの時と同じ――いや、あの時より少し成長した姿で、二人は対峙する。
 
「俺とジュペッタに、任せてくれ!」
 
 ジュペッタになったカゲボウズと、サマヨールになったヨマワルがにらみ合う。お互いに火傷を負っていて。あまり時間をかけている余裕はない。求められるのは、必殺の一撃のみ。ならば――
 
「ジュペッタ、ナイトヘッド!」
「サマヨール、守る!」
 
 ジュペッタの体が巨大化し、サマヨールにダメージを与えようとしているとルビーは判断して一旦守りに入ろうとする。だがそれ
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