紅玉の神秘
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……そして、カゲボウズ。
「そしてシンカせよ!その輝く鉱石で、俺の大事な人を守れ、メガヤミラミ!!」
ヤミラミの体が光に包まれ、胸の鉱石が巨大化して盾のようになる。進化したその力を、サファイアはあくまでルビーを守るために使うと宣言した。
「さあ……行くぞルビー!」
「しぶといゲンシカイキめ……滅してくれる!」
お互いの想いを込めて、二人はぶつかり合う――
――時を少し遡り、サファイアが過去の記憶を取り戻しているころ。
「ちっ、くそったれが……!マッドショット!」
「ヨマワル、防御を」
ヌマクローが泥を波状に打ちだすのを、ヨマワルが緑色の防御壁を出して防ぐ。さっきからずっとこの調子だった。ルビー……いや、その体を借りた何者かは最初にエメラルドのポケモンたちに鬼火を当てたあとほとんど攻撃せず、防御に徹している。
「ワカシャモ、そんなチビさっさと片付けちまえ!」
ジュプトルは既にメガシンカしたクチートに倒された。ヌマクローも火傷のダメージが危うい。比較的無事なのはワカシャモだけだったが、ワカシャモの蹴りもロコンの影分身によって躱され続け、空を切る蹴りが地道に体力を消耗させていく。しかも、今はジュプトルを倒したクチートがワカシャモに噛みつこうと狙っていた。
「噛み砕く」
「躱して火炎放射をぶち込め!」
だがエメラルドも無抵抗にやられる性質ではない。ぎりぎりで噛みつきを躱し、千載一隅のチャンスとばかりに火炎放射を撃たせる。そもそもこの状況になったこと自体、ルビーがエメラルドより圧倒的に強い、というわけではなく地の利がエメラルドになさすぎるのだ。
エメラルドの戦術は火炎放射、ソーラービーム、地震、波乗りといった広範囲かつ高威力の技で敵を圧倒することだ。だがこの洞窟という地形はそれを邪魔する。地震など起こそうものなら洞窟が崩れかねず、日が差さないためソーラービームも打てない。波乗りを打てばルビーやサファイアのことはともかく水が自分自身を溺れさせかねない。
よってまともに打てる大技は火炎放射のみ、後はエメラルドにしてみれば小技の類だ。残る唯一の大技でメガシンカを仕留めようとするが――
「ロコン」
「ちっ、またかよ!」
ロコンが分身の中から飛び出てクチートとワカシャモの間に入り込み、火炎放射を受け止める。しかしロコンはその体を焼き焦がさない。ロコンの特性『もらい火』が炎技を無効にして、特攻をアップさせる。チャンスをつぶされ、さらに。ルビーがある石を掲げたのを見てエメラルドは絶句する。
「炎熱纏いし鉱石よ、我が僕に力を!」
それは炎の石。それはロコンの体を赤
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