紅玉の神秘
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に対して、サファイアは申し訳なさそうに答える。
「助けて……っていうか、たぶんああなったのが俺が変なことしたからだろ?ごめん……」
「ううん、いいんだよ。こうして助けて、傍にいてくれただけでも……ボクは嬉しい。それにきっと君が来ても来なくても、ボクはああなってた」
「そうなのか?……っていうか、何してしたんだ、あれ?」
「交霊の儀式……といってわかるかな。昔の人を呼び寄せる練習をしてたんだ。だけどボクは、兄様の様な才能がなくてね。なかなか上手くいかないんだ……」
少女がうつむき加減に答える。その時、一人の大人の男がそばにやってきた。短めの黒髪の、宮司のような恰好をしている。
「はいはい、一旦そこまでだよ。まったく、ちょっと目を離したすきにこうなるなんて……運命ってやつはせっかちだなあ」
「あんたは……?」
「……誰?」
「でももう少し、待っててほしいんだ。僕が本格的に動けるようになるまで」
よくわからないことを言う男は少女も知らない人らしく、訝しげに見ている。そんな二人に構わず、男はサーナイトを出した。
「だから一旦お休み。そしていずれまた会おう、美しい元始の原石たちよ――」
サーナイトは二人に催眠術をかける。少女もサファイアも眠りに落ち……サファイアにとって、これは夢の出来事となった――。
そして、サファイアの意識は現実へ――ムロタウンの石の洞窟へと戻る。見ればルビーのキュウコンとメガクチート、そしてヨマワルに苦戦を強いられているエメラルドたちの姿が見えた。
(そうか……あの時の女の子が、ルビーだったんだ)
今までどうして忘れていたのだろう。黒く結った髪の毛も、赤い瞳も、紛れもなくあの時から変わっていないのに。だけど今はそれを考えるよりも先にやるべきことがある。
(……なんでルビーが、またこうなったのかはわからない)
まだ体の痛みは激しくサファイアを苛んでいる。それでもサファイアはこっそり周りを探り、そして目的の物を見つける。それは当たり前のようにそこにあった。彼女がクチートのメガストーンを手にしているように。
(だけど、ルビーはあの時、傍にいてくれてうれしかったって言ってた。だったら何度だって……俺はルビーを助けて傍に居続ける!!)
「ルビッー!!」
「!」
ルビーの赤く爛々と輝く瞳が、サファイアを見る。その目に屈さず、サファイアは堂々と言った。
「今からお前を元に戻してやる……あの時と同じ、シリアから学んだ俺のポケモンバトルを魅せてやる!!
応えてくれ、俺のポケモンたち!!」
モンスターボールを取り出し、自分のポケモンを出す。フワンテ、ヤミラミ
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