紅玉の神秘
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サファイア。よーく狙ってボールをなげるんだ」
「うん……」
渡されたボールとカゲボウズを交互に見る。自分で捕まえなければポケモンに持ち主として認められない。それがわかっているからこそ、緊張するサファイア。
「……えいっ!」
オーバースローで投げられたボールは、ギリギリ届いてカゲボウズに命中した。モンスターボールにカゲボウズの体が吸い込まれ、揺れる。
「…………」
固唾を飲んで見守るサファイア。その揺れは段々小さくなり――止まった。ゲット成功だ。
「……やったあ!やったよ父さん!」
「ああ、頑張ったなサファイア。それじゃあカゲボウズを回復させてあげよう」
「わかった!」
早速ボールからカゲボウズを出し、いいきずぐすりで回復してやりつつ相棒となったポケモンに声をかけるサファイア。
「これからよろしくな……カゲボウズ」
「−−−−」
ボールの効果と、回復してもらっていることもあってか、カゲボウズはサファイアにすり寄った。ひらひらした布のような体が頬に当たる。
「あはは、くすぐったいな……よし、もういいかな」
カゲボウズの体を見て、傷が治ったかどうかを確認すると、サファイアはさらに上へと歩き始めた。
「それじゃ父さん、俺カゲボウズと一緒にここを探検してくるよ!」
「ああ、あまり騒ぎすぎるなよ」
「わかった!行こうカゲボウズ!」
カゲボウズと一緒に走っていくサファイア。しばらく先で、彼は一度忘れてしまう自分の運命の人と出会うことになる――
「……はあ、はあ。ここが頂上かな……?」
「−−」
墓場だらけの塔を上ると、草の生い茂る山へと出た。見下ろせば、自分の乗ってきた車がはるか下に見える。ちょっとだけぞっとしつつも、さらに山を登ると――そこには、一人の女の子がいた。紅白の巫女服に、髪を後ろにまとめて結った自分と同じくらいの年の子が、魔法陣らしきものの中央で座っている。瞳を閉じているらしく、サファイアに気付いた様子はない。
「おーい!そんなところで何してるんだー!?」
「!」
単純に気になったサファイアは、女の子の――魔法陣の場所に近づく。その声で気づいたのだろう、女の子は制止の声を上げた。
「ダメ!それ以上近づかないで」
「え……なんで?」
「いいから」
「……なあ、これなんなんだ?触ってもいいか?」
突然のことに戸惑ったサファイアは、浮かれていたこともあって地面にかかれた魔法陣に手を触れてしまう。――それが引き金となった。
「いやああああああああっ!!」
女の子の悲鳴がして、その場の空気がびりびりと震える。サファイアも驚き尻餅を
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