紅玉の神秘
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!」
ルビーがメガストーンを天に掲げると、隣のポケモン――クチートの身体がより激しく輝き、光の球体に包まれていく。その光景には見覚えがあった。
「まさかこいつは……」
「メガシンカ!?」
「今目覚めよ。暴虐なる元始の力に抗う、反逆の二角!!」
光の球体が割れ、中から現れたのは――身体が一回り大きくなり、その後ろ髪のような角を二つにした新たなクチートの姿だった。
「ルビー……」
その光景を、サファイアは驚愕もしたがどこか冷静に受け止めて始めていた。クチートのメガシンカよりも、この状況には見覚えがあったからだ。だがそれがいつどこでの出来事だっ
たのかは、まだ思い出せない。
(でもどこかで、俺はこんな風にルビーと会ったことがある気がする。それは……)
記憶を手繰り寄せようとする。だがそれは、目の前のルビーにとってあまりにも大きな隙だった。
「クチート、じゃれつく!」
「ぐああああっ!」
二つの角がサファイアを蹂躙し、吹っ飛ばして壁に叩きつける。激痛で頭が朦朧とした。
「ちっ、だから避けろっつってるじゃねえか!現れろ、俺様に仕える御三家達!!」
エメラルドが自分のポケモンを出してルビーに応戦しようとする。ルビーもメガクチートだけではなく、ロコンやヨマワルを繰り出していた。
その光景をぼんやりと眺めながら、サファイアはようやく思い出す。
そう、ルビーとの出会い。その記憶を――
それは、4年程前の事。両親と共におくりびやまに来たサファイアはとてもこの日を楽しみにしていた。なぜなら今日がサファイアにとって初めてポケモンを手にする日だからだ。おくりびやまを選んだ理由は言わずもがな、新しくチャンピオンとなったシリアの虜になったからである。
「父さーん!母さーん!早くー!」
墓場だらけのこの場所に似合わぬ元気な大声で、おくりびやまを上っていく。こらこら待ちなさいと親に止められても、幼いサファイアは興奮しっぱなしだった。
「ねえ父さん、俺あのポケモンが欲しい!シリアのジュペッタの進化前なんだろ?」
サファイアは一体のカゲボウズを指さす。シリアのバトルを見てからゴーストタイプのポケモンについて調べたサファイアはカゲボウズがジュペッタの進化前であると知っていた。
「わかったわかった。じゃあ少し待っていなさい」
「うん!頑張って父さん!」
「では……頼むぞゲンガー」
サファイアの父親はゲンガーを出してカゲボウズに手加減したシャドーボールを打たせる。カゲボウズがふらふらになったところで、サファイアの父親はモンスターボールを手渡した。
「さあ
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