紅玉の神秘
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「……よっし!ヤミラミ、ゲットだぜ!」
モンスターボールに収まったヤミラミを見て歓喜の声を上げるサファイア。なかなかボールに収まらずモンスターボールが何個か無駄になったが、鬼火による火傷でじわじわ弱らせたのが功を奏したようだ。
「ルビーとエメラルドはどうしてるかな……」
それぞれやりたいことを終えたら洞窟の一番奥まで行くことにしていた。奥に向かう途中で、エメラルドの声が聞こえてきた。
「だっー!やってられっかよ!」
「どうしたんだ?」
「掘れども掘れどもメガストーンどころか進化に必要な石すら出て来やしねえ!くそっ、来るんじゃなかったぜこんなとこ……」
見ればエメラルドの周りの壁面はあちこち掘り尽くしてぼろぼろになっている。石掘りに駆り出されたであろう彼のポケモンたちがへとへとになっていた。散らばった土や石を見たところ、確かにそう目立つ石はなさそうだった。
「……まああれだよな。そんなこともあるって。気にすんなよ」
「うるせえっつーの!」
ご機嫌ななめなエメラルドと共に洞窟の最奥部へと到着する。ルビーもポケモンをゲットしたのだろう。長い黒髪をまとめて下ろしたような小さめのポケモンと一緒に、壁画を眺めているのが見えた。
(なんだ、これ……)
ポケモンらしき巨大な生き物二体の暴れる様子が書かれた巨大な壁画。生き物の両腕には片方にはαのような、片方にはωのような文様が浮かんでいる。それを見たサファイアはさっきの少年と相対した時と同じ、圧倒されるような不思議な気分になった。
「はあ?なんだこりゃ?」
エメラルドは特に何も感じていないらしい。サファイアもその声で我に返った。ルビーに近づいて、声をかけてみる。
「おーい!ルビーは何捕まえたんだ?」
「……メg………………」
「?」
ルビーは壁画に手を当てて何かを呟くばかりで、サファイアの呼びかけに応じる様子がない。
「ルビー、どうしたんだよ?」
近づいて、ルビーの肩に手を触れる。その時だった。彼女の隣にいたポケモンの後ろ髪だと思っていた部分がパックリと開いて、サファイアに迫る――
「え……」
「避けろバカ!!」
エメラルドに蹴り飛ばされてなんとか噛みつきを避ける。さすがのサファイアも抗議した。
「お……おい、どうしたんだよルビー!捕まえたポケモンがまだ懐いてないのか?答えろって!」
「ゲンシカイキ…暴………メガ…ンカ……対抗……」
ルビーが振り返る。だがその様子は明らかにいつもの彼女とは別物だった。紅い瞳が爛々と輝き、体はうっすらと青い光に包まれている。隣にいるポケモンも同様だった。
「ゲンシカイキの力……消滅させる
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