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幽雅に舞え!
呉越同舟
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よ?そこに行けばメガストーンや進化に必要な石も落ちてるかもしれないね。手持ちの強化もそろそろしておきたいし、ボクは賛成するよ」
「俺様はこんなところで手に入るポケモンに用はねーが、メガストーン集めはいいな。じゃあさっさと行こうぜ」
「ああ、地図によるとこっちの方にあるみたいだ。行こう!」

 ジャリジャリする砂浜の感触を楽しみながら(ルビーは若干嫌そうにしている)洞窟に向かう。そんなに大きくはないであろうそれが見えてきた時、サファイアたちの前に一人の子供がやってきた。恐らく、洞窟から出てきたのだろう。黒の肩にかかるくらいの髪で、横に狐面をつけている。白色の大きく袖が余った全体的にゆったりとした服でまるで大きな一枚の布を纏っているかのよう。 瞳の色は、赤と青のオッドアイだった。

「ふああ……おはよう、お兄さんとお姉さん」

 あくびをした後かけられた言葉は、明確にサファイアとルビーに向けられていた。それが伝わってくるのが不思議な感じがして、反応が遅れる。ルビーでさえ、少し固まっていた。エメラルドに至っては、ぼんやりして反応すらない。まるで目の前の子供が意図的にそうしているかのようだった。

「えっ?あ、ああ。おはよう。君は?」
「僕はジャック。……うん、君たちも良い目をしてるね。原石の美しさを感じるよ」
「え?」
「なんでもない。お兄さんなら、今のチャンピオンのシリアだって超えられるような、そんな気がするってこと。頑張ってね」

 その言葉はまるですべてを見てきた仙人のようで、とても幼い子供のそれとは思えなかった。

「……よくわからないけど、ありがとう。俺、頑張るよ」

 サファイアがそう言うとジャックと名乗った子供はにっこり笑ってサファイアたちの進んできた方へと歩き去る。姿が見えなくなったあと、エメラルドが口を開いた。

「なんだ、あのチビ。チャンピオンを超えるのはこの俺、エメラルド様だっての!」
「ああ、なんだったんだろう今の子は……ルビー?」
「……いやあ。不思議な子だったね」

 ルビーは何か考えているようだったが、それ以上何も言わなかった。気を取り直して石の洞窟の中へと入る。洞窟の中は一本道で、迷う心配はなさそうだった。

「よし、それじゃあしばらく石やポケモンを探そう。それでいいよな?」
「ああ、ここのメガストーンすべて持ってくつもりでやるぜ」
「まるで墓荒らしだね。ボクはのんびりポケモンを探させてもらうよ」

 3人はお互い別の場所でそれぞれの物を探す。サファイアの目的はどちらかというとポケモン探しだ。

「確かここには、ヤミラミがいるって本で読んだことある気がするんだよな……っと、見つけたぜ!」

早速目当てのヤミラミを見つけ、
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