呉越同舟
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焼いた。サファイアも合わせて祟り目を打つが、はっきり言って比べ物にならないくらいの威力差だった。ドククラゲの体が、沈んでいく。
「ふっ……ま、ざっとこんなもんよ!俺様に挑むのは100年早いぜ!」
「……もう敵はいないみたいだな。船長さん!船は大丈夫ですか?」
「ああ、なんとかね……坊ちゃんもそのお友達も、ありがとうございます」
「だから、友達じゃねえっつってんだろ?それじゃ出発してくれ」
かしこまりました、という苦笑の後船が発進する。サファイアたちもルビーのところに戻った。
「ルビー、大丈夫だったか?」
「……」
サファイアが呼びかけるが、ルビーは答えない。青い顔をして俯いている。
「どうした?……もしかして、さっきの船の揺れで酔ったか?背中さすってやろうか?」
「…………いや、いいよ。まだまだ甘いもの以外はボクの体に合わないってことだね……ちょっと甲板に出てくるよ」
「わかった、一人じゃ辛いだろうから、肩貸してやるよ」
どうやらルビーは慣れない船とカレーのせいで酔ってしまったらしい。提案するサファイアだが、それもルビーはいいといってふらふらと出ていってしまった。心配なのでついていこ
うかとするサファイアだが、エメラルドに止められる。
「お前、バカか。吐いてるところなんか好きな奴に見られたいわけないだろ。それくらい気づけっつーの!」
「好きって……ルビーと俺はそんなんじゃないよ」
「は?鈍いなあ、女が好きでもない男と一緒に二人旅なんかするかよ」
「ルビーは変わったやつなんだよ。現に、さっきも友達だろ?って言ったら嫌な顔されたんだぜ?」
するとエメラルドはあきれ顔をした。手を顔に当ててダメだこいつ……と呟く。
「あー……なんかもういいや、お前が俺よりガキってことはわかった」
「なんでだよ?お前の方が年下だろ?多分」
「そういうことじゃねーよ」
それでエメラルドは会話を打ち切ってしまった。しばらくするとルビーがさっきよりマシな顔で戻ってくる。
「……そろそろムロに着くみたいだよ」
「そっか、もう大丈夫か?無理はするなよ」
「大丈夫だよ、チョコレートも補給したしね」
「よし、そんじゃムロでもひと暴れすっか!」
船を降り、サファイアとエメラルドは船長さんにお礼を言ってからムロタウンを眺める。砂浜をそのまま町にしたような小さな町だった。ジムもすぐそこに見えている。
「さーてと、んじゃ早速ジム戦に向かうとするか。ここはシケた町だし、長居してもいいことねーよ」
「いや、俺は石の洞窟ってところに行ってみたいな。すぐ近くにあるみたいだし」
「は?なんだってそんなとこ……」
「石の洞窟、だ
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