高坂姉妹の休日 【カゲショウ】
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った。だって、クイーンが五枚あったのだから。
そう、何故かクイーンが五枚並んでいた。ファイブカードを直訳すれば何らおかしなことは無いんだけど……。本来のトランプは一セット四種類のマークがあって、それぞれAからKまでの十三枚あって、+ジョーカー二枚の計五十四枚で小売りされている。
だから、一セットしか使わないポーカーにおいて同じカードが五枚揃う事などあり得ないわけで、つまりこれは――――
「もの凄いバレバレのイカサマじゃん!!」
「あいたっ!!??」
お姉ちゃんの脳天に手刀を振り下ろす。それを食らった本人は痛そうに頭を押さえながら何でばれたのかという困惑の表情を浮かべてる。私としては寧ろ何でこれでばれないと思ったのか知りたいし、役もろくに覚えていないのに何でポーカー勝負を仕掛けてきたのかが謎で困惑してるんだけど……。
「……お姉ちゃん、私もうレポートに戻っていいかな?」
「今度はイカサマしないから!! ことりちゃんに教えてもらったイカサマはしないから!!」
「それ教えたのことりさんだったの!?」
あの人は何をうちのお姉ちゃんに吹き込んでるんだろうか……。多分、冗談半分で行ったことをお姉ちゃんが馬鹿正直に信じただけなんだろうけど。この場合イカサマという手段をお姉ちゃんに教えたことりさんに少し怒るべきなのか、それともそんなバレバレの嘘にまんまとひっかっかったお姉ちゃんを嘆けばいいのか……。亜里沙、私はどうすればいいのかな?
「もう、次やったら本当にやめるからね?」
「えへへ、わかってるよぉ」
少し叱るように言ってみたけど、私の予想に反して少しだけ嬉しそうな顔をするお姉ちゃんに少しだけ拍子抜けしてしまう。……今のやり取りで嬉しくなるようなところってあった?
「……なんか、今日のお姉ちゃんおかしいよ」
私がクイーンを一枚抜いて山札に戻したカードをシャッフルして配る時にぽつりと呟いてみる。するとお姉ちゃんは、小首を傾げて頭の上に疑問符を浮かべた。
「そう?」
「うん、なんか、こう、全体的にテンション高めというかノリが奇妙というか……」
「そうかなぁ……?」
お姉ちゃんは自分に配られた手札を見つつ考え始める。
そして、手札をトレードするのと同時に、笑いながらこう言った。
「もしそう見えるなら、雪穂と久しぶりに遊べたからかな」
…………なんじゃそりゃ。妹と遊ぶのなんてそんなに楽しいものでもないだろうに。
でも、何となく。ほんの少しだけお姉ちゃんと遊んだこの時間は懐かしく感じたのは、本当に久しぶりだからなのかなぁ。
「…………やっぱり今日は特別おかしいね、お姉ちゃん」
そしてお姉ちゃんの言葉に少しだけ共感してしまった自分も、もしかしたら少しおかしなテン
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