高坂姉妹の休日 【カゲショウ】
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
とす。そしてお姉ちゃんの方を向く。
「少しの間なら遊べるから、何かして遊ぶ?」
「雪穂……」
お姉ちゃんが驚いて綺麗な目を大きく開いて私を見つめる。
私が苦笑交じりの微笑みを浮かべると、あのμ’sラストライブの日に見せてくれた太陽の様な満面の笑みを浮かべた。
昔から私の好きだったお姉ちゃんの全開るい笑顔。そういえば最近この顔を見ることって全然なかったなぁ……。
今思えば結構大学が忙しいからって、姉ちゃんやお父さんたちと話す機会が少なくなったきがする。そりゃこの顔を見る機会も少なくなってくるよね。
「じゃあ取り敢えずトランプしようよ。ポーカーをやるんだったよね」
お姉ちゃんの手からトランプをとって、ポーカーをするためにトランプを振り分けていく。トランプ自体も久しぶりだから少しだけ紙質が指先に新鮮に感じた。
「ふっふーん! 穂乃果から勝負を仕掛けたんだから負けないもんねー」
「お姉ちゃんは結構大事な所で顔に出やすいから勝つのは私だよ」
せーので配った手札を見る。スペードのエースに二。クローバーの四に八、そしてハートのキングかぁ……予想はしてたけどかなりバラバラだなぁ。
手札を見て暫く考え込む。お姉ちゃんも私と同じように手札が芳しくなかったのか、眉間にしわをよせて小さく唸って考え込んでいる。
という事は二人とも今はハイカード状態で、数字は結構ばらつきがあるからストレートとかの警戒は必要無さそうかな。ならここはちょっと冒険してみて――
「オールトレードっと」
手札を伏せて全部捨てる。結局は賭け事なしのお遊びだし、冒険して自分の引きの強さを見極めてみようかな。
山札から新たに引いたカードは全てスペード。だけど結局は四のワンペアが出来上がっただけで後は揃わなかった。
ま、取り敢えずは一組で来ただけでも良しとしよう。そう思ってお姉ちゃんを見ると、三枚を伏せて捨てて、同じ枚数引き直し眉間に寄せた皺を薄くしてた。という事はお姉ちゃんも何か訳が出来たって事かな? 感覚的に……ツーペアかな? でもワンペアの可能性も捨てきれないし……。
「雪穂、どうする? 勝負する?」
「うーん、そうだなぁ……」
可能性としては負ける可能性が高いわけで、本来ならおりる一択なんだろうけど……。ま、いっか。
「勝負だよ、お姉ちゃんっ」
「それじゃ、オープン!!」
お姉ちゃんの掛け声とともに二人とも一斉に自分の手札をひっくり返して開示する。
そして私は、お姉ちゃんのその手札に頭を数発殴られたような衝撃をうけた。
「お、お姉ちゃんこれって……」
「ふふん、ファイブカードだよっ!!」
そう言って自慢気にドヤ顔で胸を張るお姉ちゃんの手札は、確かにファイブカードと言えなくもなか
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ