Track 2 受け取るキモチ 繋げるミライ
活動日誌6 ゆうじょう・のーちぇんじ! 2
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イドルを目指している訳じゃないからね? それくらいは理解しているし。
だけど彼女は肯定した。その言葉を聞いて私は安堵しながら、答えを促したのだった。
だけど、彼女は悲しそうな顔をして――
「……ごめんなさい」
そう答えたのだった。
いや、彼女が謝ることでもないんだけど。勝手にお願いをしたのはコッチな訳だしね?
だから、私は苦笑いを浮かべながら――
「あっ、変なこと聞いてゴメンネ? 忘れて? それじゃあね……」
「――あっ! ……ううん」
そう彼女に告げると、亜里沙の手を引っ張って自分の席に戻ろうとしたのだった。
その時、足早に去ろうとした私達に何かを言おうとした彼女だけど――私が振り返ると、目を瞑って首を横に振っていた。
だから私と亜里沙は再び歩き出した。たぶん、その場に居座れば彼女が辛くなるから――そう感じて教室を離れることにしたのだった。
♪♪♪
その日の放課後。
私達はアイドル研究部の部室を目指して歩いていた。今日から本格的な活動を始めるから。
そんな希望に満ちた初日のはずだったんだけど――私と亜里沙の足取りは非常に重かった。
いや、別に体育の授業があった訳じゃないよ? あと、アイドル活動がイヤになった訳でもない。
活動方針が決まっていないからでもない――まぁ、そこは少しは気にしているけどさ? 活動の時点で決めれば良い訳で。
私と亜里沙が気にしていたのは高町さんのことだった。
別に、断られたことじゃないからね?
そりゃあ、まぁ? 少し――いや、かなり残念だけどさ?
それは彼女の自由だし、私達が何か言える話じゃないから。
だけど、私の誘いを断ってから、高町さんは私達を避けるようになった。
午後の休み時間毎に何処かへ出て行ってしまう。そして、HRが終わると気づく前に帰ってしまっていたのだった。
私達と高町さんは2日前に知り合ったばかりだ。
そして今日の朝――お互いのすれ違いを解消して、晴れて友達になったのだった。
確かに、お姉ちゃん達のファンと言う共通点はある。
だけど目指している到達点は違ってもおかしくはない。
きっと、私は――私と亜里沙は自分達の価値観で彼女を見ていたのだろう。
お姉ちゃん達のファンならスクールアイドルを目指しているだろうと。
彼女に悪気はない。
単純に私達に申し訳ないと感じているんだろう――そんなことは全然ないのに。
だから、顔を合わせるのに抵抗があるんだと思う。
私は今の現状を、昨日の私達とクラスメート達のように思えていた。
高町さんは、まさに昨日の私達だ。まぁ、私達は避けていた訳じゃないんだけどね?
そう、あの時考えた
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