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幽雅に舞え!
挑戦!カナズミジム
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「え!?ルビーとシリアって兄妹だったのか!?」
 
 カナズミシティまでの間、緊張するサファイアにシリアは穏やかに話しかけその緊張をほぐしてくれた。自分はかつて世話になったトレーナーズスクールに顔を出しに来たこと、そしてその帰りにエメラルドたちを見つけたことなどの話を聞く。そして現在、カナズミに戻るころには普通に話せるようになっていたのだがそこで驚きの事実を告げられる。
「そうだよ、わざわざ言うほどのことじゃないから言わなかったけどね」
「やれやれ。相変わらず妹君は人が悪いですね」
「……何、兄上ほどではありませんよ」
 含みのある笑顔を浮かべるルビー。サファイアにはその感情の底までは読み取れない。
「でもさ、二人は普通の兄妹とは色々違うよな?髪の色とか、名字とか……それに、話し方もなんか他人行儀だし」
「まあ、そこは色々あるんだよ。家庭の事情というやつが。――例によってそれはまだ秘密にさせてもらうけどね。兄上も口を滑らせないでくださいね?」
「ええ、わかっていますよ」
「やっぱりそこは教えてくれないんだな」
「君が思い出すまでは……ね」
 ルビーがサファイアに微笑む。どこか既視感を覚えはするのだが、やはり思い出すことが出来ない。果たして自分とルビーはどこで出会ったのだろうか?
 考え込んだサファイアに、軽くぱんぱんと手を鳴らしてシリアが現実に引き戻す。そしてサファイアにこう言った。
「いやあ驚きましたよ。妹君がこんなに誰かに積極的に関わるなんて……しかも君は僕に憧れてポケモントレーナーになったとか。彼女の兄としても、チャンピオンとしても……サファイア君。君のポケモンバトルを一度見てみたいですね」
「ホントに!?じゃあ、俺、誰かバトルする相手を探してくる!」
「いえ、わざわざ探す必要はありませんよ。せっかくカナズミシティにいるんです」
 近くにポケモントレーナーがいないか探そうとするサファイアをやんわりとシリアは止め、提案する。そしてカナズミシティの中央付近にある――カナズミジムの方向を指さした。
「君のジム戦。見届けさせてもらいましょう」
「ジム戦を……?」
「ええ、特にここのジムリーダーなら……いえ、その話は後にしましょう。では、早速行きましょうか」
「あ、待って!まだ心の準備が……」
 まさか初めてのジム戦がチャンピオン直々に見てもらえることになるなんて思いもしなかった。躊躇いを見せるサファイア。
「おや、怖気づいたのかい?この町についた時はあんなにジム戦を楽しみにしていたじゃないか。兄上の前で情けないバトルをするのが怖いのかな?そんなんじゃ先が思いやられるね」
「そ、そんなことない!今すぐ行ってやってやるよ!頼むぞ、カゲボウズ、フワンテ、ダンバル」
 
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