暁 〜小説投稿サイト〜
幽雅に舞え!
挑戦!カナズミジム
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しく明後日の方向に転がることしか出来ない。
「丸くなるからの転がるは確かに強力な技だよ。だけど、その威力が発揮されるのはあくまでも相手に当たり続けてこそ。

……だよね?」
 ロコンが分身を続け、その間に火傷のダメージは蓄積していく。ルビーの確認がとどめになったかのように、イシツブテは限界に達して転がったまま戦闘不能になった。ヨツタニは頷いて、イシツブテをボールを戻した。

「お見事ですが……私のノズパスにそれは通用しませんよ!出てきて、ノズパス!」
「ロコン、このままいくよ」
 ノズパスが出てくるが、既にロコンの体は無数に分身している。岩落としや岩石封じを当てるのは不可能に近いことは明白だった。
故に、ヨツタニの思考は一つに絞られる。
「ノズパス、放電!あの分身を全て吹き飛ばして!」
「……かかったね」
「え?」
 ノズパスが体に電気をためると同時、ルビーは少し悪い笑顔を浮かべた。そしてそれは、勝利を確信している者の顔。


「ロコン、炎の渦」


 ノズパスが電気を全方位に放つよりほんの少し早く、その周囲を取り囲むように炎の渦が出現する。炎と電気はノズパスの周りでぶつかり合い――――ノズパスを中心に大爆発を起こした。その衝撃でロコンの影分身が消えていくが、中心部にいるノズパスが無事で済むはずがない。

「私のノズパスが……こんな簡単に」

 爆発が消えた後、ノズパスは爆心地の中心で倒れていた。チャンピオンのシリアが手を上げる。
「イシツブテ、ノズパス、ともに戦闘不能。よって、挑戦者ルビーの勝利です」
 サファイアとは違って、勝利を手にしたルビーの表情に特段の喜びはない。ただ、バトルを終えて自分の元に走ってくるロコンを優しく受け止めた。褒めて褒めてと、全身でアピールするロコンを撫でる。
「よく頑張ったね、ロコン」
「コーン!」
 撫でられて満足したロコンをモンスターボールにしまった後、ルビーはヨツタニに向き直る。その表情からはさっきの優しさは消えていた。
「さ、ジムバッジを貰おうか」
「……ええ、まさか一体に簡単に倒されるなんて思いませんでした。さすがはシリアさんの妹さんですね」
「……」
 シリアの妹、と言われたルビーの表情がわずかに曇った。それについてシリアは何も言わない。
「ああ、すみませんすみません!私ったら何か失礼なことを言ったみたいで……」
 ジムに来た最初の姿勢に戻ってしまったヨツタニを、シリアが近寄ってフォローする。
「はいはい、ジムバッジを渡すまでがジム戦ですよ」
「あ……そうですね!ではルビーさん、ストーンバッジを受け取ってください!」
「はい、ありがとう。確かに貰ったよ」
 あっさりとジムバッジの授与は
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