挑戦!カナズミジム
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?ボク達を巻き込もうと?」
「だから言っているんですよ、受け取るかは任せると。……あの博士と出会った時の様子、そしてテレビジャックを伝えた時の様子を見るに、サファイア君は自分からこの事件に関わろうとするでしょう」
図星を突かれて、サファイアはどきりとした。確かにあいつらの悪事は放っては置けない。それを見て、ルビーはため息をつく。
「……どうやらそのようですね。毒を食らわば皿まで、か」
「まあそういうことです。どうせ巻き込むなら、せめて巻き込まれても大丈夫なようにするのがいいでしょう。その為の餞別ですよ、これは。
――さあどうします?」
キーストーンを受け取り、この事件に積極的に関わるか。受け取らず、知らぬ存ぜぬを通していくのか。無論後者でもシリアは落胆も怒りもしないだろう。ただの一トレーナーのサファイアとルビーに関わる義理は全くないのだから。
サファイアはちらりとルビーを見る。ルビーは肩をすくめた。どうせ止めても無駄だとわかっているからだ。
「もらうよ、シリア。……ありがとう」
「仕方ないですね……解せないところはたくさんありますが、もらってあげますよ。兄上の我儘には困ったものです」
二人はそれぞれキーストーンを受け取る。それをシリアは笑顔で見届けて。移動用のオオスバメをボールから呼び出した。その時だった。
「フッフッフ……見つけましたよ、ホウエンチャンピオン・シリアッ――!!」
上から、どこかあの博士に似た、だけど若い女性の叫びが聞こえる。サファイアが上を見上げるとそこには――ミミロップの背に乗って、サファイアやルビーより少し年上の少女が急降下してきていた。
「シリア!空から女の子が!」
サファイアが警告し、シリアがその身を何とか避ける。向こうも元々狙いはオオスバメの方だったようで、その身に思い切り空中からのとびひざ蹴りを直撃させた。オオスバメはあまりの一撃に泡を吹いて倒れる。そして柔軟なミミロップの体は地面におりた衝撃を殺して、すとんと着地した。
その少女は、薄紫の長髪をストレートにしているけど少し前髪が動物の耳のようにぴょこんとはみ出ていて、服装は紺のブラウスに小豆色のロングパンツを履いている。目つきはどこかにやりとしていて、かつ自分に絶対の自信を持っているもののそれだった。
「やれやれ……刺客と聞いてどんな人が来るのかと思えば、あなたでしたか」
シリアが珍しくため息をつく。その仕草はやっぱりルビーと兄妹なんだなと感じたが、それどころではない。
空から降ってきた、少女を見やりシリアはこう言った。
「シンオウ地方の第一四天王……ネビリムさん」
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