挑戦!カナズミジム
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ルビーにそうからかわれると、すぐに否定する。
(そうだ、チャンピオンが見ていようと……いやだからこそ、チャンピオンと同じ幽雅なポケモンバトルを貫くんだ)
そう心に決める。その様子を見てシリアは歩き出した。
「では、早速行きましょうか。カナズミジムへ」
カナズミジムに向かう途中で、ジムリーダーはトレーナーズスクールで最も成績の優秀なものが務める決まりになっていることや、予め決められた岩タイプのポケモンを使って勝負をすることになっていることをシリアから教わる。勝負そのものよりも、トレーナーの実力を見極めることに主眼が置かれているからなのだそうだ。
「うーん……よくわかんないけど、手加減されるってことなのか?」
説明を聞いた後、少し面白くなさそうにサファイアが言う。手加減されるのがわかっているというのは少しすっきりしない。どうせなら全力の相手に勝ちたかった。
「手加減、というのとは少し違いますね。ジムリーダーとして……与えられたポケモンで全力を尽くしてきますから。それを乗り越えたものにこそ、ジムバッジは与えられるのです」
「いつも使ってるポケモンじゃないけど、本気は本気ってことかな」
「そういうことです。さ、つきましたよ」
カナズミジムにつき、初めてのジムへの一歩を踏み出す。するとジムの奥の方から驚いた声が聞こえてきた。こちらに近寄ってくる。黒髪のお下げを二つにした、気の弱そうな女性だった。
「……シリアさん!?どうしたんですかこんなところに。もしかしてこちらにも来られるご予定でしたか。ああすみません、何の用意もしていなくて……」
「いえいえ。特に連絡などは入れていませんでしたから構いませんよ。それより、この少年とジム戦をしてくれませんか?」
「ああっ、そうでしたかすみません!ごめんなさい、せっかく挑戦しに来てくれたのに無視してしまって……」
その女性はサファイアにもぺこぺこと謝る。すごく低姿勢で気の弱そうな態度は、サファイアの中でのジムリーダーのイメージとはかけ離れていた。
「えっと……この人がジムリーダーなのか?」
「まあ、一番奥にいたしそういうことだろうね」
「その通り。彼女がカナズミジムのジムリーダー……ヨツタニさんです。ヨツタニさん、落ち着いて落ち着いて」
シリアがそう保証する。気の弱そうな女性――ヨツタニは、ようやく落ち着いてサファイアを見た。
「すみません、私どうしても気弱になってしまって……でも、ジム戦に来られたからには全力でお相手します。どうぞ、奥に来てください!」
ヨツタニについて少し歩くと、階段の上がったところに広い空間があった。ここがジム戦の場所だとサファイアにも一目でわかる。ここから無数のトレーナーたちがジム戦に
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