猛攻のエメラルド
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「おまちどうさま!お預かりしたポケモンはみんな元気になりましたよ!」
カナズミシティのポケモンセンターで瀕死になっていたヨマワルを回復してもらう。元気になったヨマワルがふわふわとルビーの周りを回った。それをルビーは優しい目で眺める。
「それにしてもいよいよついたんだな……カナズミシティ」
感慨深く、窓の外から街を眺めるサファイア。今までの旅路とは違った近代的な街並みはいやでもサファイアの胸をわくわくさせる。それに何せこの町には実質初のジム戦が待っているのだ。そう思うと今すぐにでも挑戦しに行きたくなった。
「でもまあ……まずは飯にするか。結構長い時間歩いてたしな」
お腹を押さえてサファイアが言うと、ルビーはヨマワルをボールに引っ込めた。そして肩をすくめる。
「そうしようか。ボクも少々空腹だしね」
「素直にお腹へったって言わないのな……」
「似合わないだろ?」
まあそうだけどさ、といいながらポケモンセンターの中にあるテーブル席につく。
「あ……そうだ。今日はちゃんとした飯食えよ」
「はいはい」
二人で旅を始めた時にした約束は今も継続中だ。二人でメニューを見て、サファイアはハンバーグを、ルビーはあまり気が進まない風ではあるがリゾットを注文した。待つ間に、サファイアはルビーに気になっていたことを聞く。
「あのさ、さっき……フワライドから逃げるときに日光が苦手って言ってただろ?どういうことなんだ?」
「あああれね。……まあ助けてもらったわけだしこればっかりは話す義務があるだろうね」
「別に義務って程じゃないけどさ。ちゃんと理由があるならそれなりに気遣いってものが必要だろ」
「……」
ルビーが笑顔になって、名前通りの真紅の瞳でサファイアを見つめる。ルビーは時たまサファイアの言動にこうして笑顔で見つめてくることがあった。理由は不明だし悪い気はしないのだが。少し気恥かしくて目を反らす。
「な、なんだよ黙って見つめて」
「……いや、なんでもないよ。サファイア君は本当に優しいなあ」
「別に、当たり前のことじゃないか」
「君がそう思うのならそれは君の美徳ということさ。それよりもボクのことだね。ボクは――ちょっとした病気にかかってるんだよ。体質といってもいいかな。とにかく日光を浴びるととても気分が悪くなるんだ。長く浴び続ければ命にもかかわるらしい。
覚えていないかもしれないけど10年ほど前、強い雨と日照りが交互に起こったことがあっただろう?その時からそうなんだ。医者に診てもらっても原因はわからない。だから日傘は手放すことが出来ないのさ」
思ったよりも重い話にサファイアが思わず口をつぐむ。ルビーはそれを見て軽く笑った。
「はは
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