Bonus Track 1 普通じゃない μ's が 『ろこどる』 やってみた。
活動日誌5.5 Re : すたーと・だっしゅ! 1
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忘れていたのかも知れない。
スクールアイドル μ's のリーダーが他でもない高坂 穂乃果であることを。穂乃果が小さな枠や常識にとらわれずに、常に新しく光り輝く場所へ引っ張っていくことを。
だけど誰もが知っていたのかも知れない。
スクールアイドル μ's のリーダーが他でもない高坂 穂乃果であることを。穂乃果が引っ張っていく場所には常に全員にとっての明るいミライが待っていることを。
だからこそ周りにいたスクールアイドル達やファン達は、彼女達のスクールアイドル μ's の終わりを納得したのであり、その先の新しい活動を待ち望んでいたのかも知れない。
それが彼女達自身の重荷になっていたのは事実なのだが、穂乃果以外のメンバーを含めたスクールアイドル μ's を取り巻く全ての人が、そんな壁でさえも飛び越えてくれると。
穂乃果と言う少女に魅せられた全員がそう願っていたのだった。
もちろん雪穂だってその1人ではある。
だが、ポンッと目の前に差し出された事実を素直に受け止めることが出来ないのも正直な想いだった。
穂乃果達の駆け抜けた去年1年間は。学院の為に限られた時間の中で精一杯輝いていた彼女達の姿は。形を変えればそれで何事もなかったかのように進められるものではない。
去年1年間の彼女達は誰よりも輝いていた。それは、限られた時間があったから。
限られた時間の中のゴールに到達する時、自分達が1番の高みにいられるように頑張ってきたから。だから彼女達は光輝いていたのだし、その姿に魅せられたのだとも感じていた。
それが、ローカルアイドルとして活動を延長すると言うことは、去年1年間の限られた時間で輝いていた、彼女達の努力や意気込みを無かったことにする。
終わりを迎えるにあたり、あれだけ悩み苦しんでいた彼女達の葛藤が意味を成さないのでは? そんな風に感じているのだった。
だから、誰よりも近くで彼女達のことを見続けてきた1人として――
例え本人達が納得をしたことでも「はい、そうですか?」と簡単に割り切れるものではないのだった。
ローカルアイドルとして、再び自分達の前に現れてくれる穂乃果達は素直に嬉しい。
だけど、スクールアイドルとして1年間やり切ったことを何もなかったかのようにされてしまうのは、見続けてきた人間として――
自分の1年間も否定されているような気がして非常に悲しいのである。
そんな相反する感情が交錯して制御できなくなり、ただただ漠然とした表情を浮かべることでしか感情を保てないでいる雪穂に対して、穂乃果は優しい微笑みを浮かべて言葉を紡ぐのだった。
「あのね? 私、考えたんだけど――限られた時間って、何なのかな?」
「えっ?」
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