マブラヴ
1481話
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ナイフで切るような真似をすれば、治療は難しい。
それだけの殺意と共に、俺へと襲い掛かって来た女に対して……俺がやったのは、ナイフの一撃を回避し、そのまま胴体へと蹴りを入れる。
本気の一撃をここで出せば、女を吹き飛ばすんじゃなくて、女の胴体を砕いてしまうので、当然ここでも大分力を抜いて、だ。
そうして吹き飛ばされた女は、そのまま背後へと飛んでいき……
「ぎゃっ!」
時間差を付けて俺に襲い掛かろうとしていた相手へとぶつかった瞬間、悲鳴を漏らす。
うん? 何だ?
残るもう一人が顔面目掛けて繰り出してきた拳を回避しながら、様子を見る。
すると、地面に倒れた女から血が流れているのが分かった。
そして女がぶつかった男の手には、刃が血に染まったナイフが……
それを見れば、何が起きたのかは十分に理解出来た。
つまり、吹き飛ばされた女とぶつかった時、男のナイフが女に突き刺さったのだろう。
戦術機のパイロットスーツを着ていれば、ナイフ程度で致命傷を負う事はなかったかもしれないが、今は普通の軍服だった。
勿論軍服の中には防刃、防弾の効果を持った奴もあるのだが、少なくてもこいつらの軍服にそんな効果はなかったらしい。
腰から血を流しているのを見ながら、懲りずに俺の顔へと向かって拳を振るってくる男の一撃を回避し、そのまま顎へと軽い一撃を放つ。
拳を通して顎が砕ける感触があり、そのまま男は地面へと崩れ落ちる。
今の感触からすると、相当長い間……下手をしたら一生固いものを食べる事は出来ないだろう。
ともあれ、これで俺に襲い掛かってきた奴の大半を無力化した。
クリスカやイーニァを押さえているのを合わせて、まだ5人残っているが……さて、どうしたものか。
向こうもこっちがただものではないと判断したのか、警戒の態度を解かない。
取りあえず俺が最初に……と思ったところで、不意にこっちに近づいてくる足音が聞こえてくる。
「おい、一体何をしている!」
そんな風に声を掛けてきたのは、今まで俺が相手をしていたのとそう代わらない10代半ばの女だった。そして……
「これは一体、何事だ?」
もう1人は20代後半から30代前半と思われる女だった。
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