Track 1 両手を広げて
活動日誌5 すすめ→とぅもろう! 3
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
には1番のサプライズ演出になった。
「……それじゃあ? …………」
歓談を続けていた私達は、そんな花陽さんの一言で彼女を注目する。
花陽さんは私と亜里沙以外――スクールアイドル μ's のメンバーに目配せをする。すると、全員は頷いて一斉に立ち上がった。
唖然とする私達に背を向けながら、座っていたレジャーシートから離れ、横並びに整列して向き直る。
「改めて……雪穂、亜里沙ちゃん。アイドル研究部へようこそ。2人の入部を祝って1曲歌いたいと思います」
センターに立つお姉ちゃんが私達に声をかける。
え? 1曲??
そんな驚きを浮かべる私達にお姉ちゃんは言葉を繋げる。
「今日から、2人が歩きだす……そんな意味と、新しく歩きだす私達へ向けて……この曲が――」
お姉ちゃんが両側にいるメンバーを微笑みの表情で見つめる。メンバーもお姉ちゃんに微笑み返す。そして、正面にいる私達を見つめて――
「スクールアイドル μ's としてのラストの曲になります!」
そう、言い切ると――
「〜 ♪ 〜」
目を瞑りながら―――
希さん、絵里さん、にこ先輩、海未さんが頭サビの最初のフレーズを――
「〜 ♪ 〜」
同じように、真姫さん、凛さん、花陽さん、ことりさんが次のフレーズを――
「〜 ♪ 〜」
更に次のフレーズを8人で歌うと――
「〜 ♪ 〜」
お姉ちゃんが最後のフレーズを繋げる。
数拍を置いて、スクールアイドル μ's のアノ曲をアカペラヴァージョンで歌う。
そう、文字通り――私と亜里沙だけの為に開催されたライブ。
何万人と言う人達の前で歌っていたお姉ちゃん達が私達の為に――
たった2人の観客の前で歌う――そんな感動で胸がいっぱいになりながら、フルコーラスを聴いていたのだった。
♪♪♪
可能性を感じて進み続けてきたお姉ちゃん達。
前を向いて、上を向いて――駆け抜けてきたお姉ちゃん達。
だけど、その代償に縛られて前に進めないでいたお姉ちゃん達。
もちろん悪い意味ではなくて――輝きすぎていたからなんだけど。
たぶん、お姉ちゃん達だけではない。私達スクールアイドル μ's のファン達だって同じだろう。
でも、それではダメなんだと思う。
戻らないところに留まっていては先には進まない。
ううん、それどころか――輝いていた去年すら、輝きを失ってしまう。
だから、前に進みたい。でも、自分達では進めたくない。
そんな板ばさみだったのかも知れない。
だけど、ずっと先延ばしにも出来ない――だから、今日だったのだろう。
私達が入部することが、お姉ちゃ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ