暁 〜小説投稿サイト〜
ラブライブ! コネクション!!
Track 1 両手を広げて
活動日誌4 リッスン とぅー ・ マイ はーと! 2
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
イブに足を運んできた。
 だけど、音ノ木坂の制服の私達――そして彼女達の想いを発信し続けてきたアイドル研究部の部室で、こうして対面するのは初めてだった。

 もちろん、お姉ちゃんを見続けてきたから――
 お姉ちゃん達を追いかけてきたから、この対面は必然(ひつぜん)のことのように思えるかも知れないけど。これも偶然と言う名の奇跡の欠片なんだと思う。
 入れ違いで入学した亜里沙のように――他の悲しい選択だって起こっていたかも知れない。花陽さん達と対面することが叶わなかったのかも知れない。
 だから、この瞬間も偶然なんだって考えている。

 花陽さん達の心には大きな隙間があると思う。去年1年間と言う大きな隙間が。
 だけど、前に進もうとしている。
 それは、アイドルが好きだから。
 音楽が好きだから。
 そんな6人分の、それぞれの想いがソコに存在するから。
 でも、きっと彼女達を突き動かしている本当の想いは――
 託された想い、繋げる意味、伝えたい気持ち。
 そう言った自分達の気持ちを、みんなに届けたい――みんなに聞いて欲しいからなんだと思う。

 今、目の前に座っているのは2年生の3人だけ。だけど私には、目の前に座っているのが3人しかいないとは思えなかった。
 それは、学院の生徒会室にいるお姉ちゃん達。そして学院を旅立った卒業生達。更に学院の先生や生徒達。
 スクールアイドル μ's を応援する全ての人達の託された想い、繋げる想い、伝えたい想い。
 そう言った人達の気持ちを受けて、私と亜里沙に聞いて欲しい、届けたい――そんな想いを、後輩になる私達へ託す。
 私と亜里沙は言葉にしなくても、しっかりと感じられていたのだった。

 正式に部長である花陽さんの手に渡ったことにより、私達は正式な部員となった。
 それまでの私達はお姉ちゃん達の想いを受け取るばかりだった。
 でも、これからは――
 私達が届けるんだ!
 私達が聞いてもらうんだ!
 自分の気持ちを、伝えたいことを、私達が!
 私達の想いで、(さび)しい気持ちも上書きできるように。
 私達の気持ちで、つまらない日常をリセットできるように。

 そんな風に、全ての人達へ伝えてきたスクールアイドル μ's のように。
 託された想いと手にした奇跡の欠片を握り締め、花陽さん達へ私達の言葉にならない気持ちを聞かせるように。
 託された想いを聞かせるように真剣に見つめる彼女達を、私達も真剣に見つめ返していたのだった。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ